・知識不足
リサイクルショップなどで働く従業員の多くは中古とビンテージの違いを理解していないなど、知識が不足している。ファストファッションのSHEINやFOREVER 21、Hollisterなどの中古品に、新品以上の値段を付けている店もある。・隠れたコスト
一部のリセールサイトでは、ミュウミュウやポレーヌなど人気のデザイナーブランドの製品の多くが、新品とほぼ同じ価格で販売されている。これは、高級ブランド品を専門に扱うThe RealRealなどがサードパーティーによる販売を行っていることによるもの。委託販売に伴うコストが価格に転嫁されていることが一因となっている。販売価格の80%が、委託料その他の料金だという場合もある。・ファストファッションの人気
ファストファッション大手のなかには、リセールの人気上昇をチャンスと捉え、一次流通市場から製品を回収する独自のプログラムを運用し始めたものもある。H&Mは「H&M RE:WEAR」、SHEINは「SHEIN Exchange」を立ち上げている。ファストファッションには、こうした事業によるさらなる成長が予想されている。市場規模は2022年の約1060億ドルから、2027年には約1850億ドルに拡大すると見込まれている。
配慮すべき「新たな側面」
二次流通市場で衣料品を販売する小売業者は、現代の消費者には「業界の先行きを決める力」があることに注意する必要がある。利益追求やグリーンウォッシング(見せかけの環境配慮)、その他の搾取的行為を暴露するSNSへの投稿が、企業に予期せぬ影響をもたらすこともあり得る。アパレル産業は、中古品の価格上昇の原因となっている廃棄の問題や気候変動に対する自らの責任を負わないことで、支払い切れない代償を負うことになるかもしれない。
(forbes.com 原文)