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2023.09.29

Xの有料化問題、あなたはマスクにクレジットカード情報を預けられるか?

Adeel Ahmed photos / Shutterstock.com

イーロン・マスクはこのほど、X(旧ツイッター)のユーザーに、自身の「対話集会」プラットフォームの利用料として少額の月額料金を徴収するかもしれないとの考えを示した。

課金を開始する時期については言及せず、月数ドルほどでボットを排除できると述べたものの、具体的に月額料金がいくらかかるかについても示さなかった。マスクによると、Xの月間アクティブユーザーは5億5000万人で、毎日1億件の投稿があるという。

想像できるかと思うが、有料化構想に対するユーザーらの反応は圧倒的に否定的だった。ユーザーらは自分たちの投稿やコンテンツの制作がXを価値あるものにしていると主張しており、料金徴収となれば多くのユーザーはXに見切りをつけるかもしれない。

マスクはサブスクリプションモデルを開発して有料サービスにすべきかどうかを判断するためにユーザーの反応をみようと、有料化構想を打ち上げた。

マスクがXを買収して以来、広告収入は59%減少している。収入減の理由はたくさんある。それでも、一部の広告主はマスクがXを導こうとしている方向を好ましく思っておらず、ヘイトスピーチや陰謀論、自社の価値観とは相容れないコンテンツの隣に自社の広告がくることを望んでいない。

買収後、マスクはXが以前利用を禁じた多くのユーザーが再びXを使えるようにした。一部の人にとっては、Xは以前よりもさらに有害な場所になっている。 筆者は最近、匿名希望のある大手広告主に話を聞いたが、その広告主は来年の広告戦略を見直しているとのことだった。来る米大統領選挙の年にXがさらに有害なSNSになると考えており、マスクがXをより安全で論争の的にならないものにできるとは思っていない。

この広告主はXの将来について重要なことを尋ねた。私たちはイーロン・マスクがXをより安全で論争の的にならないものにし、将来展開されるアプリや関連サービスでユーザーの金融情報を保護し、プライバシーを守ると信用できるだろうか。

現在、マスクが示しているXの方向性や戦略は、明確な確固たる戦略よりもマスクの気まぐれや根底にある動機によって打ち出されているように見える。だが、マスクがXに望む究極の目標とビジョンを過小評価するのは間違いだろう。

マスクが社名をツイッターからXに変えた理由は、最終的には自身のビジョンと考えに基づいて望むものに進化させることができるからだ。先にも触れたがXの月間アクティブユーザーは5億5000万人で、毎日1億〜2億件の投稿がある。これは、何かを立ち上げるには強固な顧客基盤だ。
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翻訳=溝口慈子

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