ビジネス

2023.09.22 14:00

IPOで時価総額1.8兆円、米「クラビヨ」に注目すべき理由

クラビヨの共同創業者のアンドリュー・バイアレッキ(Photo by Barry Chin/The Boston Globe via Getty Images)

Shopifyが1億ドルを出資

そしてもう1つの重要な投資家が、同社の2022年の年間経常収益(ARR)の77.5%を占めるEコマースプラットフォームのShopify(ショッピファイ)だ。ショッピファイはクラビヨに1億ドルを出資し、11%を保有する主要株主となっている。
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今年の上半期を黒字で乗り切ったクラビヨは、現在の時流に沿うように、人工知能(AI)の導入にも意欲的だ。バイアレッキによると同社は、顧客のマーケティングキャンペーンの構築を助けるAIプロダクトの導入を視野に入れており、そのトレーニングには、69億人分の買い物客の匿名化済みデータを用いるという。「今から5年後や10年後に振り返ったとき、このツールはソフトウェアの要になるはずです」

クラビヨの評価額は2021年に95億ドルに達したが、それはベンチャーキャピタルの熱狂が軌道修正される直前のことで、その後の市況の悪化によって多くの企業が評価額を下げている。例えばストライプは5月に評価額を950億ドルから500億ドルにほぼ半減させており、2021年に390億ドルと評価されたインスタカートも19日に100億ドルに満たない時価総額で上場した。

クラビヨもまた、3月に約10%の社員をレイオフしたが、同社はそれでも成長を果たし、2年前の評価額が高すぎるものではなかったことをIPOで証明した。同社のバランスシートには4億4000万ドルの現金があり、調達した資金のうちの1500万ドルしか燃焼させていない。クラビヨは2021年と2022年にそれぞれ、7900万ドルと4900万ドルの純損失を計上したが、2023年の上半期は黒字だった。
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「市場は常に開かれていると思います。効率的に事業を運営し、本当に価値のあるプロダクトを送り出していれば」と、バイアレッキは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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