51ドルで売り出されたArm株は、9月14日の取引終了時には25%高近い約64ドルまで急上昇し、同社の時価総額は545億ドル(約8兆4000億円)から650億ドル(約9兆6000億円)に跳ね上がった。
最近注目された他のIPOも、上場時には同様の急上昇を享受している。2019年以降の大型IPO上位5社は、上場当日に平均約30%株価を上げた。
しかしその先には厳しい日々が待っていた。過去4年間の米国におけるIPO上位10社の株価は、IPO価格から平均47%、上場当日の日中最高値からは53%値を下げていると今週ロイターの分析記事が伝えている。
10社の中で、民泊サービスのAirbnbおよび人工知能データ分析のSnowflakeの2社だけが、現在もIPO価格を上回っている。一方、EVメーカーのRivianは上場時の最高値から80%安でグループ中最下位となっている。
果たしてArmは同じ運命をたどるのだろうか。Arm株がIPO価格から47%下がれば株価は約27ドル、上場当日の最高値から53%下がれば31ドルになる。
Armは米国時間14日に最も取引の多かった銘柄で、取引が開始されたのは東部標準時正午と遅かったにも関わらず、1億800万株が売買されたとYahoo Financeのデータは示している。Armのオーナーであるソフトバンクグループ(SBG)は、全株式の約10%に当たるわずか9550万株しか公開しなかった。
Bernsteinのサラ・ルッソ率いるアナリストチームは9月13日に顧客向けのメモで、Armの公正な時価総額を457億ドル(約6兆7000億円)と評価している。これは上場時の約650億ドルを約25%下回る金額であり、アナリストチームはArmがモバイル分野でのロイヤルティ収益を成長させる能力に対する疑問を呈した。
ArmのIPOは、取引規模、評価額ともに2021年11月のRivian以来最大であり、投資家、銀行さらには将来のIPO候補らから大きな注目を集めた。近々ニューヨークで上場予定の評価額10億ドル以上の企業には、靴ブランドのビルケンシュトック、食料品配達サービスのInstacartおよびマーケティングオートメーションサービスのKlaviyoの3社がある。
(forbes.com 原文)