米野党・共和党のケビン・マッカーシー下院議長が、ジョー・バイデン大統領に関する「一連の疑惑」を理由に、弾劾訴追に向けての正式な調査を開始すると発表した。次男ハンター・バイデンとウクライナ企業の商取引に関連して、大統領には以前から疑惑の目が向けられている。
マッカーシー下院議長は記者団に対し、下院歳入委員会と司法委員会に調査を指示したと説明する一方、大統領の行動に違法性があったことを示す確たる証拠はなく、問題視されている行動の一部が「疑惑」であることを明確にするなど、慎重な姿勢も見せている。
議長が大統領の弾劾訴追に向け、問題視しているのは次の4つの事柄だ。
電話
バイデンは息子のビジネスパートナーたちと複数回、電話や直接面会するかたちで話をしたり、いっしょに夕食を取ったりしたことがあるとされている。議長はこれに関する証言に基づき、大統領の行動が、ハンターとその関係者への数百万ドルの支払いや、車の贈与につながったと主張している。
ハンターのビジネスパートナーだったデヴォン・アーチャーは米下院監視・説明責任委員会に対し、副大統領だった当時、バイデンは息子と頻繁に連絡を取り合っており、ハンターはパートナーらの前で、スピーカーフォンで父と話すこともあったと証言している。ただし「バイデンが息子の仕事の話に関わったことはない」とも述べている。米紙ニューヨーク・ポストも2020年、同様の話を報じている。
家族への資金提供
共和党の一部は、ハンターと関係者が複数の外国の団体から2000万ドル(約29億円)を受け取ったと指摘している。そのうち700万ドルがバイデン家のいずれかの人物に渡ったとされるが、バイデン自身が受け取ったことを示す証拠は見つかっていない。
銀行記録
米国内の銀行が、ハンターらと外国企業の数々の取引について「疑わしい取引報告」を行っている。銀行には連邦当局に定期的にこの報告を行うことが義務付けられているが、報告自体が犯罪行為の証明になるわけではない。
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