欧州

2023.09.21 12:00

ロシアの小型ドローンでウクライナの戦闘機損傷か 航続距離伸び脅威増す

航続距離が70kmに伸びてたランセットなら、ドウヒンツェベ空軍基地のミグだけでなく、南部ミコライウ州ボズネセンスクの予備基地を使っている軍用機も脅かせることになる。ウクライナ空軍は脅威を軽減するために、航空機をより北の基地に移す、狙われやすい施設で防空を強化する、駐機中の航空機を防護物で覆う──といった措置をとることができるだろう。これら3つをすべて行ってもいい。

ウクライナ空軍はこれまで、おおむねロシア軍の動きよりも一歩先んじて動いてきた。たとえば、ロシア軍による大規模なミサイル攻撃について早い時点で警告されていた司令部は、余裕をもって航空機や航空要員を遠隔地の飛行場や幹線道路に分散させることができた。

また、在欧州・アフリカ米空軍のジェームズ・ヘッカー司令官(大将)によれば、ウクライナ空軍の航空機が「発進したのと同じ飛行場に着陸することはほとんどない」という。

こうした防護措置を講じることで、ロシア軍の爆撃がウクライナ空軍の作戦行動にもたらす脅威は大幅に減っていた。だが、航続距離の長い新たなランセットの登場によって、この脅威は増すことになった。

ウクライナには年内に欧州諸国から中古のF-16戦闘機が届き出すと見込まれている。それまでに、ウクライナ空軍は問題の解決を図るに違いない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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