今日、この言葉は幅広い層の人々によって受け入れられ、しばしば元の文脈とかけ離れたかたちで取り込まれている。インターネットでは、文化的に極めて重要な意味を持っている単語が、一瞬にしてミームとなって無秩序に拡散されかねない。一部のオルタナ右翼グループで「woke」に対して起きたことがまさしくそれだった。多くの人にとってこの単語は、社会の正義を追求する「ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー(SJW)」とされている人たちをあざける方法の1つとなった。
SNS時代の中で、行動主義が進化した。インターネットは意識を高めるだけでなく、大義名分の下に自己満足的な行動を起こす「スラックティビズム」を育んだ。多くの人々がオンラインで大義のために戦うが、現実世界で最後まで行動を追求するには至らないことがほとんどだ。そして、ハッシュタグが世界中のトレンドになることは多いが、真の変革のための永続的な約束がないことも多い。
Men and Masculinitiesに最近掲載された研究は、南アフリカでトレンドになっているハッシュタグ「#MenAreTrash」と「#WomenAreTrash」を深く掘り下げている。それらのハッシュタグは、性に基づく暴力に光を当てることを意図したものだったが、深い議論と広がる論争に火をつけた。
研究によると、多くの南アフリカ人がフェミニストの価値観に共感しているものの、#MenAreTrashの対立的なトーンが、しばしば両者の団結を阻んでいるという。同研究は歴史的文脈にも注目し、黒人の南アフリカ人は危険であるという根深い偏見ゆえに、#MenAreTrashハッシュタグの無神経さが目立っていることを指摘した。そして、フェミニストの大義を理解し擁護するための橋渡しに尽力した男性たちもいたが、彼らのメッセージは、防御的な#NotAllMen投稿の大波によってかき消されてしまうことがほとんどだった。