下剤依存になる危険性もある。さっき書いたように、下剤を使うと実際は体脂肪重は変わっていないのに、やせた感じがする。また、すべてを洗い流したかのような満足感も得られる。それはおならをしたときや、周りの人にあなたのことが大嫌いだと言ったとき、クローゼットを片付けたとき、あるいはこれらを全部同時にしたときに得られるようなすっきり感だ。そのため長期間使い続けると、こうした快感を繰り返し求めるようになってしまう可能性がある。
もちろん、下剤を服用するのが適している場合もあるだろう。本当に便秘で、食生活を変えたり水分を多めにとったり、運動を増やしても改善されない場合は、下剤が効果的かもしれない。ただ、どのような理由であっても、下剤を使う場合はまず医師に相談するのがいい。とくに使用が長期にわたっている場合は、医師の診察を受けることを勧めたい。
結論は、お尻からの排出を薬で促すのは持続的で健康的な減量法ではないということだ。体重を本当に減らすには、時間と労力、そして食事や運動など生活習慣の見直しが必要になる。近道はない。
オゼンピックのようなGLP(グルカゴン様ペプチド)-1受容体作動薬は、そうした近道なのではないかと考える人もいるかもしれない。たしかに、こうした薬はかなり急速に体重を落とすことができる。だが問題は、服用をやめるとすぐにリバウンドする可能性があることだ。さらに言えば、GLP-1受容体作動薬を減量目的で服用し続けた場合、長期的にどのような影響があるのかは現時点ではよくわかっていない。
オゼンピックをめぐる主張に関しては、正当なこととそうでないことをしっかり見極めなくてはいけない。
(forbes.com 原文)