北米

2023.09.08

TikTokで人気の「激辛チップス」で米高校生が死亡、回収騒ぎに

Photo by Sarah Dussault/MediaNews Group/The Mercury News via Getty Images

スナック菓子メーカーPaqui(パキ)の激辛チップス「ワン・チップ・チャレンジ」は、この製品を食べた14歳の高校生が死亡したことを受けて棚から撤去されようとしている。パキ社は、慎重を期してこの対応をとったと述べている。

パキ社はウェブサイトに掲載した声明の中で「小売業者と積極的に協力し、この製品を棚から撤去している」と述べた。米国の10代の間では、この激辛チップを食べた後に水を大量に飲んだり、辛さでのたうち回ったりする様子を撮影し、TikTokなどでシェアすることが流行ったが、パキ社はこの製品が本来、成人向けのものだと説明している。

製品に記載されている他の警告は、この激辛チップを子どもの手の届かないところに置くことを勧め、妊娠や持病のある人、辛さに敏感な人、アレルギーのある人は食べないようにと伝えている。

この激辛チップスは、現在入手できる中で最も辛い唐辛子2種類を含むとされ、ドクロが描かれた棺形のパッケージの中に、香辛料がたっぷりついたトルティーヤ・チップス1枚が入っている。ハーシー・カンパニーの子会社のAmplify Snack Brands(アンプリファイ・スナック・ブランズ)が所有するパキ社は9月7日、各製品に10ドルの払い戻しを行うと発表した。

騒動のきっかけは、マサチューセッツ州在住の高校生のハリス・ウォロバ(14)が、1日に学校でこの激辛チップスを食べ、最終的に病院に運ばれた後に死亡したことだった。家族が立ち上げたクラウドファンディングのGoFundMeのページによると、ハリス少年の家族は彼の死が、ワン・チップ・チャレンジが引き起こした合併症によるものだと疑っている。

パキ社はフォーブスからのコメント要請に即座に応じなかったが、広報担当者は複数のメディアに同社が少年の死を深く悲しみ、家族に哀悼の意を表していると述べている。

事件について報じたニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によれば、検死の結果が出るまには12週間程度が必要で、少年の死因はまだ特定されていないという。

ハリス少年の父親はCBSの取材に対し、彼の知る限り息子に持病はなかったと語った。GoFundMeのページによると、少年は、バスケットボールとビデオゲームが好きな知的で才能のあるティーンエイジャーだったという。

パキ社のオーナーのアンプリファイ社は、2017年にハーシー社に約16億ドル(約2350億円)で買収された。アンプリファイ社は、買収の1年前からこの激辛チップスを食べた後の反応をSNSに投稿するよう呼びかけるマーケティング活動を開始していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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