健康

2023.09.17 13:00

スマホに届く「大量の通知」によるデジタル疲れを解決する2つの方法

安井克至
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1. 携帯電話とあなたの間に物理的な障壁を置く

物理的な障壁は、ブザーやビープ音に引き込まれるのを防ぐのに重要な役割を果たす。International Journal of Obesityに掲載された古典的な研究からは、食べ物の近さと見えやすさが食物の消費に大きく影響することがわかった。

目の前や手の届くところにチョコレートがあると、もっと多くのチョコレートを摂取するように、手の届くところに携帯電話があると、通知の絶え間ない攻撃により、スクリーンタイムが増加することがある。

研究では、透明なボールはキャンディーの消費量を増やすことが発見された。同様に、携帯電話の画面が目に見えると、魅力的なアプリのアイコンやメッセージのプレビューで、ユーザーをそのユーザーインターフェースに誘い込むことができる。デバイスとの間に物理的な障壁を設けることで、自制心を働かせ、通知をチェックするタイミングや理由に気を配ることができる。物理的な障壁の例を2つ紹介しよう。

携帯電話を下向きに置くか、ポケットに入れる。こうすると、通知を見るためにはわざわざポケットから取り出したり、手に取ったりしなければならない

スマートウォッチを使う。スマートウォッチは、特定のアプリだけ通知させるように設定できる。こうすることで重要な情報を見逃すことなく、必要なだけ携帯電話をサイレントにしておくことができる

2. ポジティブな強化の力を利用する

通知管理を面倒な仕事と捉えるのではなく、個人的なチャレンジとする。ここでのアイデアは、スクリーンタイムを制限する行為とポジティブな結果を結びつけるよう、脳を訓練するということだ。

正の強化は強力な動機づけとなり、タスクを単に耐えられるものにするだけでなく、やりがいのあるものにする。それは、情報収集を怠らないことと、通知過多からくるデジタル疲れを軽減することのバランスをとることだ。

アプリを「必須」と「非必須」に分類することから始めよう。必須アプリには、仕事、電話、重要なテキストメッセージサービスに関連するものが含まれるかもしれない。非必須なのは、ゲーム、エンターテインメント、ソーシャルメディアかもしれない。

毎日、必要でない通知を吟味するための特定の時間を設けよう。必要でない通知へのアクセスをこの指定された期間に制限することに成功するたびに、自分にご褒美をあげよう。ちょっとした休憩でも、お気に入りのスナックでも、数分間のリラックスしたアクティビティでもいい。時間が経つにつれて、この正のフィードバックループが行動を強化し、それを維持しやすくする。通知を避けるのではなく、マインドフルに管理するのだ。

おわりに

デジタルアラートが溢れる時代に、通知の管理は精神の明晰さと健康を維持するために必要不可欠だ。シンプルな心理的技法を活用することで、私たちは注意を取り戻し、デバイスとのより健全な関係を築くことができる。それはデジタルマインドフルネスへの旅であり、テクノロジーが主役ではなく、あくまでもツールであり続けることを保証する。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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