グローバルチェーンという意味では、マクドナルド的だと言えるかもしれない。だけど、マクドナルドのような統一感は求めず、各店のオリジナリティを尊重していきたい。大切なのは、ピザの美味しさを確保しつつ、各店舗の個性を大切にすること。PizzaDAOにはブロックチェーン上の繋がりもあるので、分散型Web3.0的なアプローチも目指していきたい。つまり、21世紀版のマクドナルドのようなものを作っていきたいんだ」(Snax)
グローバルに考え、ローカルに行動する
事業やプロジェクトに対するロジカルなアプローチだけではなく、純粋に「美味しい」「楽しい」という人間の素直な思いからアプローチするのも大事であることを気づかせてくれるSnax。彼の言葉は、脳みそよりも心に響く。そしてピザは胃袋にも響く。ピザというユニバーサル・ランゲージを用いて、わかりやすく「シェアすることの喜び」を教えてくれるPizzaDAOのアプローチは、分散自律自立型で人々が繋がり、互助の姿勢を養う上でも大事だろう。Snaxが愛するバックミンスター・フラーは、「宇宙船地球号」とともに、「グローバルに考え、ローカルに行動する(Think Global, Act Local)」という地球規模で考えることを提唱した人間でもある。彼の思想は、伝説のカタログ「ホール・アース・カタログ」にも影響を与え、それがヒッピー文化や偉大なる起業家スティーブ・ジョブズらにも受け継がれていく。
「ピザは無料であるべきだ 」━━ このシンプルなメッセージを、歴史の継承者の言葉として眺めてみると、非常に重く受け止められる。次回ピザを食べるときには、ぜひ地球を想い、Snaxのメッセージも思い出してみてほしい。
サイドストーリー 「脳がバグる魅力」
IBMの仲間とピザを食べながら、PizzaDAOの話になった。そこで、PizzaDAOについて異なる見方もあることを知ったので、おまけとしてその様子を共有したい。登場人物は、IBM Future Design Lab. の高荷力氏、岸本拓磨氏、 山本愛氏、矢野裕佳氏と、私、 西村真里子(著者)だ。ムーブメントは、ロジックだけで作れない
高荷:DAOって聞くと小難しい感じがするけど、PizzaDAOはピザというわかりやすいテーマを軸に広げているのがユニークですね。Snaxさんを見ていると、気候変動のムーブメントを作るグレタ・トゥーンベリさんやサステナブル・フード・ラボを立ち上げたハル・ハミルトンさんの存在を思い出します。ちなみに西村さん、サステナブル・フード・ラボという2000年代初頭に始まったムーブメントご存知?西村:PizzaDAOユニークですよね!多くのDAOはお金儲けを軸にしているのに、PizzaDAOはその真逆。興味津々で、メンバーになっちゃいました笑。そして、サステナブル・フード・ラボについては、知らないです。教えてください。