ピザは無料であるべき!「宇宙船地球号」PizzaDAOが目指す優しい未来

宇宙船地球号の乗員視点で「PizzaDAO」を展開するSnax氏

「宇宙船地球号」としての地球観を唱えたバックミンスター・フラーは、1969年、通信の発展が国籍や人種の違いを無意味にするだろうと言っていた。インターネットとブロックチェーンの現代に、彼の思想を継承する人物がいる。

彼の名はSnax (スナックス)。「ピザは無料であるべきだ (Pizza should be free)」をスローガンに、PizzaDAO(ピザダオ)というグローバルコミュニティを拡大させ続けている。毎月のように世界各地でピザパーティーを行い、人々をつなげている。PizzaDAOは、ブロックチェーンやNFTのカンファレンスでピザパーティーを主催する一方、ソーシャルインパクトを持つ組織を支援している。Slice Out Hunger、sdmbokji、Happiness Now、Denver Rescue Missionなどをはじめ、多くの非営利団体のサポートを通じて社会に貢献している。

そんな彼と出会ったのは、2021年秋にニューヨークで行われたNFTイベント。DAO(※)が話題になり始めていたタイミングで、「ピザを無償で食べ、つながる」を標榜するPizzaDAOは、他のDAOよりも圧倒的にわかりやすく楽しいので、PizzaDAOに関わり始めた。今ではPizzaDAOメンバーの一員として、毎年5月22日に東京で開催されるグローバル・ピザパーティーの運営を手伝っている。

※ Decentralized Autonomous Organizationの略。組織の代表者が存在せず、ブロックチェーンを基盤として、誰でも自由に参加、平等な立場で運営される「分散型自律組織 」のこと

PizzaDAOの仕組みはシンプルだ。NFT販売とスポンサーから軍資金を得て、人々に無償でピザを配る。2021年から数えて今年で3年目となる東京のパーティーでは、100名以上の来場者にピザを振る舞った。パーティーではピザを無償で食べられるほか、NFTやブロックチェーンコミュニティ向けのイベントでもあるため、様々な意見交換ができる。今年は、ブロックチェーンを用いたアートを手掛けるメディアアーティスト、藤幡正樹さんによる「ブロックチェーンとアート」に関するスペシャルトークも、イベントに華を添えた。

ムーブメントを起こす「最初のダンサー」

「地球の丸さとピザの丸さは同じだろ?みんなでピザを分け合うって、シンプルでとても楽しいじゃないか。あと、ピザは世界どこにいっても通じる共通言語。だから、ピザなのさ」とニコニコしながら主催理由を語るのはSnax。宇宙船地球号の乗員の視点である。

しかし、Snaxとの会話では時々脳内がバグる。マネタイズやビジネスモデルは?そしてスポンサー獲得のためのPizzaDAOのミッション&ビジョンは━━?私はつい、既存ビジネスの尺度に当てはめてPizzaDAOを考えてしまうのだが、PizzaDAOはシンプルに「ピザは無料であるべきだ 」というビジョンのみを掲げて進めている。

このシンプルさが訴求力を高め、今年のグローバルピザパーティーは世界70カ国、116都市で開催され、9300人が集った。企業スポンサーによる支援も含めると、運営は黒字だ。
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