PizzaDAO、Snaxの動きを見ていると、コミュニティマネージャーの究極系が、Snaxなのではないかと感じてくる。このあとSnaxへの取材内容を紹介するが、どの言葉も、どの姿勢も非常に純粋である。この純粋さが人々を惹きつけ、世界的なムーブメントを生み出していることを感じてもらえるだろう。TEDでアントレプレナーのデレク・シヴァーズが行った有名なプレゼンテーション、「社会運動はどう起こすか」に出てくる最初のダンサーが、まさにSnaxなのではないだろうか。
「21世紀版マクドナルド」を作りたい
なぜSnaxはPizzaDAOを立ち上げたのか、その背景と彼のキャリアについて聞いた。「僕は2021年1月から、PizzaDAOのコミュニティ・オーガナイザーを務めている。2011年から暗号通貨やブロックチェーンに目を向けてきたけれど、それより前からインターネットを活用したコミュニティ活動に関わっていた。インターネットの普及で全世界とシェアが可能になった一方で、僕は地元のコミュニティとの繋がりを大事に思い、『South Silly』という地元フィラデルフィア南部の情報共有グループを運営しているんだ。
現在では1万3000人以上が参加し、ハロウィーンやプロムのイベントを開催したり、地域の愉快な出来事の写真をシェアしたり。例えば最近は、道路に落ちていたスイカの写真をシェアしたりして。消火栓から、火が出ているようにスイカが落ちているのが可笑しいでしょう笑?
この『South Silly』は掲示板のような存在で、地元の人々の興味やニーズがわかるのが面白いんだ。グループ名の通り、メンバーは愉快な投稿やイベントを企画してくれるので、活動はいつも楽しいものになっているよ。最近では、スーパーマーケットの中でダンスパーティーを企画したりと、日常の中の特別な瞬間を共有して、コミュニティのメンバーに喜んでもらっている。人々がつながり、楽しんでいる姿を見ると、自分の心が温まり、嬉しくなるんだ」(Snax)
人々をつなげることが、結果としてビジネスにもつながっているという。昨今では、コミュニティマネジメントをビジネスのキーととらえる事業者も増えてきているが、最初からビジネスの目標だけを追うのではなく、純粋に人々が楽しめる環境、安心できる環境を作ることが、コミュニティとしては大事だ。
2010年5月22日、ピザ2枚を1万ビットコイン(BTC)(現在の価格でいうと約380億円)で購入した、初期のビットコインマイナーでプログラマーだったラズロ・ハニエツの行為を祝う日として、PizzaDAOが広めているグローバル・ピザパーティー。すでに世界中に広がりを見せているが、Snaxが今後、目指すところはどこなのか。