健康

2023.09.09 09:00

医師による「果物・野菜」の処方で健康状態が改善 研究結果

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新たに発表された研究結果によると、医師から果物や野菜の摂取量を増やすよう指導を受け、同時に生鮮食品の購入にかかる費用の援助を受けた人は、健康状態が改善され、ストレスや不安も軽減される可能性があるという。
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タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院の研究チームは米国内の12州に居住する約4000人を対象に「農産物処方プログラム」を実施。医師がそれまでの処方薬に加え、果物や野菜を「処方」し、それらの購入を医療保険の給付対象とするか、コミュニティプログラムの一環として補助金を給付するなどした。

参加者は月当たり15~300ドル(約2200~4万4000円、中央値は64ドル)の補助を受けた。その結果、プログラムの開始から6カ月後までに、心疾患のリスクがあった成人のほぼ全員に、血圧とボディマス指数(BMI)の低下、血糖値の改善が確認された。

プログラムに参加した成人の果物と野菜の1日あたりの摂取量は、ほぼ1カップ増加していた。成人に推奨される1日あたりの果物と野菜の摂取量はそれぞれ、1〜2カップ、2〜3カップとされる(1カップ=240ml)。
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米疾病対策センター(CDC)によると、毎日十分な量の果物や野菜を食べている米国の成人は、わずか10人に1人。別のCDCの調査では、農産物を十分に摂取している可能性が最も高いのはヒスパニック系の成人で、次いで黒人、白人とされている。また、推奨される栄養摂取ができている人は、女性より男性の方が少なかった。

食料不安も改善

プログラムの参加者は、食料不安が改善されたことも報告している。食料不安は、健康的な食品・飲料への公平で安定的なアクセスが欠如した状態にあることと定義され、ストレスや不安に加え、住居・医薬品など最低限必要な支出と食品のどちらを優先するかという困難な選択の原因になることが指摘されている。

米保健福祉省(HHS)、米農務省(USDA)によると、米国人が理想的とされる量の野菜と果物を摂取するには、1日あたりおよそ2.10~2.60 ドル(月あたり63~78ドル)が必要になるという。
次ページ > 野菜・果物を医療保険の「給付対象」に

編集=木内涼子

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