「当時のリーダーたちには、ふたつの選択肢があった。橋を元通りにするか。それとも橋の基盤を見直して将来の地震に耐えられるようにするか」
選ばれたのは後者だった。カマラは次のように続ける。「パンデミックから回復しようとしているいま、同じ選択に直面している。私たちが新しい社会、新しい経済を『再び想像』することが強く成長するための道につながる」と。
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「30 UNDER 30」受賞者たちは、一人ひとりが私たちに「想像力」をもたらしてくれる。気候変動、格差、民主主義といった大きな世界的課題があるなかで、悲観的でも、楽観的でもなく、現状維持でもない、「個人が思うよりよい未来」を想像して、実践している彼ら、彼女らの挑戦は、私たちに新たなイメージと選択肢を与えてくれる。
今回、「30 UNDER 30」受賞者の数を大幅に増やすことで、既存の枠組みの成功以外のカタチで挑戦している人たちを数多く選出することができた。彼ら、彼女らが自分の視点から世界や社会をとらえて、自分の行動を通して「希望」を描こうとしている。
そんな彼ら、彼女たちの「想像力」から好影響を受けるのは、必ずしも、私たち世代だけではないのではないか。
次世代、将来世代に対しても、キャリアや生き方を「想像」するためのモデルになるはずだ。ベストセラーになった作家・村上龍による『13歳のハローワーク』が刊行されてから20年近く、その更新は不可欠だ。将来世代が「新しい社会、新しい経済を想像し、創造していく」ためのガイドにもなるのではないか。そして、「どうしたら、未来世代の『よき祖先』になりえるか?」の答えにもつながるのではないか、とも思っている。
私たちが現実への想像力を更新し、将来世代が未来への想像力を拡張する。その交差点に「30 UNDER 30」の存在がなりえる。ようこそ、120人が描く「希望」と「新しい未来」へ。