「世界一の幸せを感じたい」
現在、田島が意欲的に学んでいる科目は英語。N中等部で楽しみにしているのはディスカッションやディベートの時間だという。「電車に乗っている時間を利用して、ChatGPTを相手にディベートをしています。互いに意見を出し合って、最終的にどちらの意見により納得感があったか、ChatGPTに判断させて勝敗を決めるんです」
彼女は「いつか、海外でも自分の作品を披露してみたい」と夢を語る。英語の勉強に力を入れているのもそのためだ。
「今の時点で将来何になりたいかはまだ決まっていません。でも逆に言えば、これから何でも挑戦できる。いろんなものにどんどんチャレンジして、世界に向けて発表していきたいです」
発信やプレゼンは苦手だが、それでも「自分の将来にとって必要だと思うので挑戦する」と意欲を見せる。
取材終盤、田島は再び自身がもつ“幸せ”の哲学を語り出した。
「人ってそもそも幸せになりたい生き物だと思うんです。だって、お金が欲しいって言う人も、根本はお金を手にして幸せになりたいんですよね。私の場合は、せっかくなら、世界一の幸せを目指したいんです。そのためには、周りが幸せでいてくれなきゃ、私が目指す『世界一の幸せ』は達成できない。だから身近にいる人が困っていることを少しずつ減らせるような物作りを続けていきたいです」
ちなみに田島が言う世界一の幸せは、「坂の上の雲」にある「生まれたからには日本一になりたい」というセリフを引用したものだ。
身近な人の困りごとから社会課題へと視野を広げる田島ちひろ。人を思いやる心とユニークな発想、美的センスを持ち合わせた物作りで、彼女の幸せの輪が広がっていきそうだ。