宇宙

2023.08.21

土星の輝きと赤色巨星アンタレスの「食」が楽しめる、今週の夜空

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた北半球が夏を迎えた土星。2020年7月4日(NASA, ESA, A. Simon (Goddard Space Flight Center), M.H. Wong (University of California, Berkeley), and the OPAL Team)

今週、月は上弦(地球から見て表面の半分が照らされている)になり、夜空を青白くし始める。そのため星空鑑賞はより困難になり魅力も減るが、代わりに、この半分輝く月は赤色超巨星であるアンタレスの光を遮るという大仕事をする(北米の一部でのみ)。

月がアンタレスを隠す「アンタレス食」は、今週のメインイベントの1つだが、小型望遠鏡を持っている人は、毎晩土星とその驚くべき7つの輪を見ることができる。現在、地球は太陽と土星の間にあるので、土星は2023年で最も明るく美しく見える。

8月24日木曜日:水星が逆行

9月16日まで、水星は見かけ上「逆行」し空を逆向きに動く。水星が「内合」になって地球に近づく時、背景の星々に対する動きが遅くなったように見える。

地球が水星を追い越す時、一定期間、水星が逆方向に動いているように見える。道路で遅い車を追い越す時に似ている。これは視点の違いの問題であって「惑星の逆行」が人間に特別な意味を持つことはない。

8月24日:上弦の月がアンタレスを隠す

上弦の月が夜空の明るい恒星の前を横切るという稀な光景が、米国中央部とフロリダ州北部で見られる。天文学者が「掩蔽(えんぺい)」と呼ぶ現象で、輝面比56%の明るい半月が、夜空で15番目に明るい恒星アンタレスから届く光を遮る(アンタレス食)。当該地域では協定世界時午前2時29分から約1時間、アンタレスが視界から消える。In-the-sky.orgに月によるアンタレス食のマップがある。(訳注:日本で今年アンタレス食が起きるのは9月21日だが、8月25日には月とアンタレスが接近するところが見える)

8月25日金曜日:米国の「偉大なる金環食」まで50日

あと50日で、米国および中南米の一部で、劇的な「金環食」を見ることができる。ほとんどの地域では部分日食になるが、狭い対象地帯に入っている人たちは、月の周りに美しく光る輪を最長5分間見ることができる。

金環食が見られる地帯(月の影の通路)の幅は約212キロメートルで、オレゴン州からテキサス州を経て、メキシコ湾、中央アメリカ、コロンビア、ブラジルへと続く。

今週の天文現象:土星が「衝」になる

8月27日、土星は2023年最大の明るさになり、一晩中輝き続ける。地球が太陽と土星の中間に来る(「衝」)ため、土星は私たちから見て100%照らされる。日暮れの東の空に昇り、日の出の西の空に沈む。

なお現在、土星の輪は地球から見て少しずつ細くなっていき、それは2025年まで続く。ともあれ、前後数週間は、小型望遠鏡を持ち出して、みずがめ座の中に見える美しい輪をもつ惑星を鑑賞するまたとない機会だ。

望遠鏡を手に入れた人にとって最も感動する瞬間の1つが、土星の輪を見た時だろう。どんなものでもいいので天体望遠鏡があればよい。ただし、あまり大きく期待しすぎないこと。間違いなく輪を見ることはできるが、視野いっぱいに土星が広がるわけではない。大きく見るためには口径15cm以上の望遠鏡が必要だろう。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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