サッカー日本代表・遠藤航 キャプテンとしての転機は19歳のときに

田中友梨

サッカー日本代表・遠藤航

世界を変える30歳未満の30人を表彰するForbes JAPAN「30 UNDER 30」。6回目となる今年はスケールアップし、各ジャンルで活躍する若者たち120人が、8月24日に発表される。

受賞者の選出にあたっては、各カテゴリーで活躍する専門家・業界オーソリティ・過去受賞者をアドバイザリーボードとして迎え、協力を仰いだ。ドイツブンデスリーガ、VfBシュトゥットガルトに所属するサッカー選手、遠藤航は、「Entertainment & Sports」部門のアドバイザリーボートのひとりだ。

日本代表選手でもある遠藤は、2018年ロシア、2022年カタールと2大会連続でW杯に出場。カタール大会では、ドイツ、スペインという優勝経験国に勝利したチームで、中心選手として活躍した。2023年6月には正式に日本代表のキャプテンに就任し、日本サッカー界の新リーダーとしても期待が高まる。

ドイツでは、試合中の1対1の局面での勝利数を表す「デュエル」部門で2020年、2021年と連続でNo.1を獲得。日本では注目されにくい守備的ミッドフィルダーの評価軸として「デュエル」を定着させた第一人者だ。

彼はいかにして現在のポジションにたどりいついたのか。今年30歳の遠藤に、ターニングポイントを聞いた。


サッカーをはじめたのは小学校1年生のとき。父親もサッカー経験者で、幼い頃から一緒にボールを蹴っていました。周りにもサッカーが好きな友達が多くて。チームに入ったのは、小学校に入ったタイミングで母親が見つけてきてくれたのがきっかけです。その頃は単純にボールを蹴るのを楽しんでいました。

小学校高学年くらいになると、父と一緒に日産スタジアムや三ツ沢陸上競技場(現、ニッパツ三ツ沢陸上競技場)へ横浜Fマリノスの試合を見に行くようになって、スタジアムの雰囲気も含めたプロの舞台に憧れを持つようになりました。

当時は中村俊輔さんが好きでしたが、その後は、自分がプレーするポジションによって注目する選手も変わっていきました。ミッドフィルダーなら俊輔さんだし、ディフェンスなら中澤佑二さん。彼らのプレーを見て「すごいな」と思っていました。

中学校までは学校の部活でサッカーを続け、高校入学時に湘南ベルマーレのユースから声をかけられました。うれしい思いもありましたけど、正直に言うと「マリノスじゃないんだ」という悔しい気持ちもありました(笑)。

ただ、湘南に入ってから、トップチームの選手と顔を合わせ、彼らのプレーを間近に見ることが日常的になって、「プロサッカー選手になる」ことを意識するようになりました。
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文=尾田健太郎 編集=田中友梨 撮影=小田光二

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