サッカー日本代表・遠藤航 キャプテンとしての転機は19歳のときに

「日本のキャプテン、遠藤航」として

一方で、最近は「デュエル王」へのこだわりをやめてもいいのかなと思いはじめています。守備的ミッドフィルダーの重要性への理解も進み、代表チームのキャプテンにもなったので、これからは「日本のキャプテン、遠藤航」としてのキャラクターをつくっていくべき時期にあるのかなと。

ただ、「理想のキャプテン像」については、本気で考えてもなかなか正解がない。シュトゥットガルトをふくめ、これまでキャプテンを任せていただくことも多かったのですが、日本代表としてのキャプテン像はこれからトライしながら、最終的に「遠藤航はこういうキャプテンだ」というものがみんなの中にできればいいのかなと思っています。
 


現時点で、そのためのキーワードは「存在感」と「安心感」だと思っています。

「存在感」というのはグラウンド内でも外でも持っておきたいものです。グラウンド内での存在感が1番大事なのは大前提として、対外的には、いろいろな場面で前に立って発言することで、「日本代表キャプテンって面白い考え方だね」と感じてもらうことも重視しています。

「安心感」では、あらゆる場面で「遠藤がいれば安心だよね」と思ってもらいたい。選手だけでなく、ファンやメディアに対してもそうです。「報道対応は遠藤に任せておけば大丈夫」「遠藤選手に質問すればなんでもわかる」と思ってもらうことが、まずは必要だと考えています。

この2つのキーワードを軸にアップデートを繰り返すことで、「キャプテン像」をつくりあげていきたいです。

目標は「ワールドカップ優勝」

僕はこれまで、プロ入りから海外移籍、日本代表へと段階を踏みながら目標を達成してきました。

目標を達成するために大事なのは、その目標をいかに設定するかだと思っています。背伸びしすぎた目標では良くないし、簡単に達成できるようなものでもダメ。大きな目標から逆算して、その時点での最適な目標を見つけていくことが重要です。

今の目標は、日本代表のキャプテンになったときにも表明した、「ワールドカップで優勝する」こと。「夢なのではないか」と思われるかもしれませんが、僕にとって「夢」は現実的に叶えることが難しいもの、「目標」は手が届くところにあるものという認識です。

僕たち今の代表選手にとって、ワールドカップ優勝は現実的な目標になっています。そのようなタイミングでキャプテンに任命されたことをうれしく思っています。

将来的にサッカーを引退するときが来たら、そのときは、家族、妻とゆっくり旅行でもしてみたいですね。今はビジネスにも興味がありますが、サッカーに関わり続けたいと思うかもしれない。そこはまだわかりません。セカンドキャリアのことを考えて趣味の投資も継続しつつ、コンテンツプラットフォーム「シンクロナス」の連載「月刊・遠藤航」のような発信も続けていきたいと思います。


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文=尾田健太郎 編集=田中友梨 撮影=小田光二

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