日本ではiPhoneユーザーが多く、そのアプリの開発も盛んだ。2022年にはアップルのApp Storeは日本全体で460億ドル(約6兆5500億円)もの事業売上があった。
アプリ開発はiPhone登場以降、急成長しておりその開発者も増え、その需要も大きくなっている。
プログラミングを通じて世界と繋がる、社会課題を解決する
アップルは、提供するアプリ開発用のSwiftプログラミング言語を使ってオリジナルアプリを作成するイベント「Swift Student Challenge」を開催している。毎年恒例、全世界の学生を対象にした本イベント、2023年は熊本県立大学の秋岡菜々子さんと山田雄斗さんがそれぞれ入賞した。熊本県立大学の秋岡菜々子さんと山田雄斗さん、飯村伊智郎教授
秋岡さんは、クイズ形式で日本の伝統文様を学ぶことができるアプリ「Japattern Legacy」を開発した。
「和柄は日本の重要な文化的な遺産。それを学べるクイズアプリを作りました。自分を信じて最後までチャレンジし、新たな可能性が生まれたと感じました。テクノロジーを活用して問題に取り組む仲間が世界中にいることも知りました」と秋岡さんはいう。
山田さんは自由に配色や線の太さを設定し、オリジナルの日本の伝統文様を作成できるアプリ「結(Yui)」を開発した。
「普段はチームで活動していますが、このチャレンジは個人。着想から実装まで大変でした」
秋岡さんと山田さんはともに、同大学の総合管理学部・飯村研究室に所属している。飯村伊智郎教授は「強制的にチャレンジされるものではないため、自らチャレンジする人をサポートしました」という。また「プログラミング言語に国境はない。地方の公立大学だが、自分のアイデアが世界につながっていくことを体験させるのも目的」だと述べている。
これからは、テクノロジーがなければ社会は動かない。みんなエンジニアになるわけではないが、その素地を身につけることで文系、理系を問わず活躍できるようになると飯村教授は考えている。Swift Student Challengeはプログラミングのコンテストへの参加は、その教育の一環としてとらえ、社会における問題解決と同じく、いっきにゴールへたどりつけない、バグを解消してことで粘り強くも1つ1つ課題をクリアしていくプロセスをコーディングを学んでほしいという。
現在、秋岡さんは地元の江津湖における外来種問題に関して熊本市や管理組織と協力して子どもたちの認知を高める活動を大学で行なっている。また、山田さんはチャレンジを通じて感じた「困っている、地域の課題をみつける点が大変。テクノロジーで困った人を助けていきたい。さまざまことに課題をもつようになった」という思いを胸に、iPadだけで利用できる肢体不自由な人に眼球、視線で動くアプリの開発を進めている。