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2023.07.31 09:00

TikTok、中国プロパガンダ広告を大量配信 欧州のユーザー数百万人に向け

EUのデジタルサービス法への対応 

欧州連合(EU)や英国、フランス、ベルギー、デンマーク、オランダ、ノルウェーなどの政府機関は、バイトダンスが所有するTikTokが、政府の機密情報を中国に流出させる可能性があるとの懸念から、政府用デバイスでの同アプリの使用を禁止している。バイトダンスは昨年12月、TikTokを使って米国と英国の記者を監視していたことを認めた。バイトダンスの社員は、現在も欧州のTikTokユーザーのデータにアクセスできるが、同社は将来的にそのアクセスを制限する計画を発表している。
 
規制当局の最大の懸念のひとつは、中国政府が民主主義国家の市民の言論をゆがめるために、TikTokを利用する恐れがあることだ。中国国営メディアは長年にわたり、ソーシャルメディア広告を利用して西側で親中的な物語を押し進めてきた。
 
メタとグーグルはともに、国営メディアが投稿したコンテンツにラベルを貼っており、TikTokも1月にラベルを貼ることを発表した。しかし、国営テレビ局である中国中央電視台の米首都ワシントン支局が運営するアカウントの@NewsTokssには、フォーブスが指摘するまでラベルが付けられていなかった。
 
TikTokが広告ライブラリを公開したことは、一部の透明性擁護団体から歓迎されている。EUのデジタルサービス法(DSA)に基づき、TikTokのような大規模なプラットフォームは、検索可能な広告のデータベースを用意することを義務付けられた。TikTokの発表によると、同社はこのライブラリを欧州以外にも拡大する意向というが、いつ、どこの国に拡大するかの具体的な説明はなかった。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

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