宇宙

2023.07.30 16:00

恒星の直近を公転する惑星にも昼夜サイクルが存在 新たな観測で示唆

かに座55番星eはどのようにして誕生したのか?

かに座55番星eが形成された場所が現在の位置ではないことは明らかであり、今より中心星から離れた場所で形成され、内側へと移動した可能性が高い。しかし、この移動に関する詳細は現時点でわかっていない。

1つの仮説は、元々もっと遠くで作られた巨大ガス惑星が、何らかの原因で外側のガスの外皮を剥がされたというものだ。中心星の太陽風がその原因だった可能性が高い。もう1つの仮説は、地球型の岩石惑星が、たまたま地球の約8倍の質量で作られただけというものだ。

ブランデカーが有力視しているのは後者の説だ。その理由として、密な大気を失うことは容易ではないからだと説明している。

一世代前の天文学者は、異常に軌道の短いこうした系外惑星を間接的に検出できるだけでも幸運だった。現在、ブランデカーをはじめとする系外惑星研究者たちは、数十個の恒星を公転する近接系外惑星を日常的に観察している。

ブランデカーは、かに座55番星eで起きていることを、次のように想像している。朝に太陽が昇ると、地表が溶け始め、やがて蒸発してケイ酸塩鉱物の大気を形成する。夜になると、惑星は再び冷却され、鉱物の蒸気からなる大気が凝縮し、溶岩の雨となって降り始める。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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