もしリステリア菌を摂取してしまったらどうなるのか。免疫系が正常に機能している人の場合だと、数日間にわたりトイレで長い時間を過ごすことが多い。下痢や腹痛、吐き気がリステリア症の主な症状だからだ。このほか、高熱や激しい頭痛に見舞われることもある。症状は汚染された食品を口にしてから数時間〜3日後に出始めることが多い。
リステリア症が侵襲性のものになった場合、非常に厄介なことになる。ここでの侵襲とは、菌が臓器や血流、場合によっては中枢神経系にまで侵入することを意味する。幼い子どもや65歳以上の高齢者、慢性疾患のある人など免疫機能が低い人は、侵襲性のリステリア症を発症しやすい。
実際、今回のアウトブレイクでも、これまでに罹患した人はみな60〜70代だった。侵襲性リステリア症の症状には、頭痛、首や肩のこわばり、錯乱、平衡感覚の乱れ、けいれんなどがある。死亡する確率は10〜20%に跳ね上がる(編集注:世界保健機関によると侵襲性リステリア症の致死率は20〜30%とされる)。
リステリア症はとくに妊婦がかかった場合、流産や早産、死産、胎児の感染といった深刻な結果につながるおそれがある。そのため、医師らは妊婦に対し、ソフトチーズやソーセージ、サラダをはじめ、先ほど挙げたような食品を避けるよう警告している。妊娠中は、リステリア菌に汚染されたものを摂取するリスクを最小限に抑える必要がある。
ワシントン州で発生したリステリア症の原因については調査が進められているところだが、結果が出るまで次のような予防策をとるのがよいだろう。生乳は避ける。肉はしっかり加熱処理する。生野菜を食べる場合はよく洗う。未調理の食品に触れた可能性のあるものはすべて徹底的に洗う。最後に、生鮮食品はできるだけ早く食べるようにする。
生鮮食品をあまり長く放置していると、リステリア菌がわずかでも入り込む可能性がそれだけ高くなる。そして、最初はわずかでも、その菌はすぐに増殖することになるだろう。
(forbes.com 原文)