元ひきこもりのCEOが挑む、超ポジティブな「メタバース教育」

技術的背景や歴史なども含め、メタバースとは何か、といったメタバースの理解から、実践的な使い方やつくり方まで網羅的に解説し、「学ぶ」と「創る」の両面からメタバースの基本的知識をわかりやすく楽しく身につけていただけるように、と作成しました。

クラスターは教育の専門的な知見を持つわけではありませんので、まだあくまで妄想的なアイデアでもありますが、文部科学省の取組や方針なども踏まえ、ICT教育やデジタル人材育成に役立てるようにとみんなで考えて取り組んでいます。

資料のダウンロードや利用に関するガイドライン、お問合せ先などをまとめた、教育機関向け公式サイト「cluster エデュケーション(https://www.educator.cluster.mu/)」も開設しました。先ほども少し述べましたが、すでにご使用いただいている皆さんによって、とても面白い「活用事例」が生み出されていますので、そういった情報もどんどんお伝えしていきたいと思っています。

メタバースならではの「体験的な学び」

例えば、リアルではできない、メタバースならではの「体験的な学び」ができることもclusterの大きな特徴の一つですが、この特徴を利用して、既存の教育を加速するコンテンツも生まれているんですよ。

「身体の中に入って食物の消化のされ方を学ぶ」「実物大の恐竜を眺めることができる」「化学式を立体化したものを飛び移って体験する」といったコンテンツがユーザーによって制作され、公開されています。
●clusterで実際に公開されているワールド

●clusterで実際に公開されているワールド
左)ミクロの冒険-たべものがウンチになるまで-|さんかく
右上)バーチャル恐竜館<別館>|藤宮
右下)【Molecule Run!①】アセチルサリチル酸|みっつ (Mittsu)


教科書だけではなかなか理解が難しいような「ものの大きさ」や「立体的な構造」「動きや流れ」といった学習も、わかりやすく学ぶことができると楽しいですよね!

世界を作って、動かしていく人材を

メタバース教育の意義には色んなことがありますが、僕が一番期待してるのは「共創」、co-creationです。

clusterでもこの思想を根本としていて、ワールド(メタバース空間)制作ツールの「ワールドクラフト」も複数人、大勢でも作れるようになっています。

今の時代、世の中を動かしていく、世界を作っていく人材が非常に大事になってきていますよね。

僕は大学時代、受験勉強漬けで入ってきて、その流れのままひたすらよい点数を取るための勉強だけを続ける学生生活を送る人たちをたくさん見てきましたが、面白いことを始めるな、という学生は、やはりそれだけではなくて、周りを巻き込んで自分たちのやりたいこととか、発想の赴くままに何かモノを作ったりする人たちなんですよね。何年か後には社会を動かしていく、重要なポジションを担っていたりもする。

受験勉強って基本的には一人プレイじゃないですか。自分自身で知識を入れて、問題を解いて、点数を出すという。

でも、一緒にモノを作るということには正解がありません。世界を作ることにおいては完全に完成することがない。

皆さん「ただ受験の勉強だけしていて」、あるいは「させていていいのか」と悩んだり、先生方だって「学校の詰め込み型の教育は良くない」とか「想像力や多様性が重要」みたいなことを言われても、具体的に何をしたらいいか、困ることもあるのではないでしょうか。
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画像=クラスター 構成協力=でんこ 編集=宇藤智子

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