空のF1をARを使って渋谷で開催、世界初「AIR RACE X」とは

AIR RACE X

最高速度370km/h、最大負荷10Gもの過酷な空中タイムトライアルを小型飛行機で競う、空のF1とも称されるエアレース。

2019年まで開催されたレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ以来、再開が待たれてきたが、コロナ禍を経て、従来の競技フライトと最新のデジタル技術を融合し、これまでにない革新的な競技形式と観戦スタイルを確立させた「AIR RACE X(エアレース エックス)」が誕生することになった。

記念すべき初開催の舞台は、日本カルチャーの発信地「渋谷」。

10月15日に「AIR RACE X - SHIBUYA DIGITAL ROUND」として開催されることが決定し、先週13日に渋谷ストリームホールで行なわれた「Metaverse Japan Summit 2023」で発表された。

日本人初のエアレース世界チャンピオン室屋義秀選手(LEXUS PATHFINDER AIR RACING)、現エアレース世界チャンピオンのマット・ホール選手(オーストラリア)、ピート・マクロード選手(カナダ)など、8名のエアレースパイロットが参戦予定だ。

記者発表会を兼ねた「Metaverse Japan Summit 2023」でのトークセッションには、発起人でもある室屋選手はじめ、リアルメタバースプラットフォーム「STYLY」運営のPsychic VR Lab取締役COOの渡邊信彦氏、東京大学生産技術研究所特任教授で建築家の豊田啓介氏、渋谷未来デザイン理事・事務局長でMetaverse Japan代表理事の長田新子氏が登壇し、大会の概要やビジョン、意気込みなどについて語った。

2月に開催されたMetaverse Japanのイベントでも、室屋選手、豊田氏、長田氏によって、エアレース×VR・ARの可能性について議論されていたが、さまざまな進展を経て、今回の開催決定・発表に至ったようだ。

Metaverse Japan Summit 2023で行われた「AIR RACE X」記者発表会|写真左より)長田新子氏、渡邊信彦氏、室屋義秀選手、豊田啓介氏Metaverse Japan Summit 2023で行なわれた「AIR RACE X」記者発表会|写真左より)長田新子氏、渡邊信彦氏、室屋義秀選手、豊田啓介氏

それにしても、渋谷でエアレースとは一体どういうことなのか? 当然従来のままでは安全上、「絶対に開催できない」(長田氏)。

今大会の形式は「デジタルラウンド」と呼ばれ、6日間の予選と1日で行なわれる決勝トーナメントで構成される。

仕組みはこうだ。
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写真=渋谷未来デザイン 文=宇藤智子 編集=安井克至

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