実機レースをAR技術で渋谷に映し出す
予選日にパイロットたちがそれぞれの拠点で、AIR RACE X 大会本部が作成する共通のコースレイアウト(今大会では渋谷の街に設定されるコース)をもとに、実機で同じ位置と間隔で配置されたトラックマーカーの間を実際に飛行する。その際に誤差3cm以内という専用装置「リモート・データ・ユニット」によって計測された、超高精細・高精度なフライトデータを集積・分析して競技データを生成し、リアルメタバースプラットフォーム「STYLY」のAR(拡張現実)技術で映像化して、決勝当日に、渋谷の複数箇所に設けられるパブリックビューイング会場や有料観覧席で観戦する。
観戦会場でSTYLYのアプリをインストールしたXRデバイスやスマートフォンをかざすと、渋谷の街をレース機が駆け抜ける様子を現実さながらに体験できるという。
つまり、パイロットたちがリモート形式で実際に競技飛行を行なってタイムを競い、観客はその遠く離れたパイロットたちのフライトを、最新のセンシング技術とAR技術によって、渋谷で間近で楽しむことができるのだ。
こうした仕組みにより、エアレースは従来の3次元からさらに時間と空間を超える5次元モータースポーツ「AIR RACE X」へと進化を遂げ、街なかでの大会開催を可能とした。
これらの模様は、全世界に向けてオンライン配信もされる。
また、予選期間中にパイロットたちのそれぞれの拠点で行なわれるフライト、室屋選手の場合には福島市・ふくしまスカイパークでの実際の飛行を、現地を訪れて楽しむこともできる。
パイロットがファンを巻き込むことをエアレース エックスでは奨励しており、チームや会場次第ではあるが、各拠点でイベントが開催される可能性もあるとされている。
都市の新たな魅力の発信にもつながるだろう。
「AIR RACE X」は今後、このデジタルラウンドを2024年には世界各都市で4戦、25年にはデジタルラウンド4戦に加え、リアルでのグランドチャンピオンシップの開催を計画しているという。
世界に先駆け渋谷で開催される、リアルとバーチャルの融合による新時代の都市型スポーツエンターテイメント。今から大会が楽しみだ。