北米

2023.07.21 11:30

「客に笑顔を隠すな」 米バーガーチェーンが従業員のマスク着用禁止

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米南西部を中心に展開するハンバーガーチェーン「イン・アンド・アウト・バーガー」が、医師から必要と認められていない限り、従業員によるマスクの着用を禁止する新たな店舗規則を導入することがわかった。

店舗スタッフ向けの文書によると、新たな規則は顧客サービスや店舗スタッフの「笑顔などの表情を見せられること」を重視したものだという。イン・アンド・アウトのほこる「卓越した顧客サービス」と「健康と安全、品質に関する比類のない基準」のバランスをとるものだとも説明している。

違反したスタッフは懲戒処分にし、「最も重い場合は解雇する」と警告している。

こういったやり方で企業が従業員の健康を危険にさらすのは、それこそ「比類のない」ものではないだろうか。もし会社側が気にかけているのが従業員の笑顔を見えるようにするという点だけなのなら、口元の部分が透明になった「クリアマスク」のような製品もある。

イン・アンド・アウトの店舗スタッフ向け文書は、一部地域向けのものをドクター・ラッキー・トランが最初にツイッターで暴露した。筆者はイン・アンド・アウトの顧客サービス窓口に電話をかけ、文書のとおりだとの裏づけをとった。

新規則は8月14日から、アリゾナ、コロラド、ネバダ、テキサス、ユタの5州の店舗で実施される。イン・アンド・アウトが本社を置くカリフォルニア州とオレゴン州では、雇用主による従業員のマスク着用禁止が認められていないので、対象外となる。

ただし、カリフォルニア州とオレゴン州の店舗スタッフがマスクを着用する場合は、会社側の提供する「N95」マスクを使うことが義務づけられる。両州の店舗スタッフ向けの文書には、「N95は新型コロナウイルスをはじめとするウイルスに対する最高レベルの防御効果がある」と紹介されている。どうやらイン・アンド・アウトは、N95の有用性を認めておきながら、従業員のマスク着用は禁じたい考えらしい。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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