北米

2023.07.21 11:30

「客に笑顔を隠すな」 米バーガーチェーンが従業員のマスク着用禁止

米疾病対策センター(CDC)は5月11日に更新したマスク着用に関するガイドラインで、「マスクを着用することはいつでも選択できる」と記している。「定期的なワクチン接種やマスク着用といった対策を重層的にとることは、重症化の予防や医療機関への負荷軽減に役立つ」と説明した上で、きちんとフィットし、防護力があり、快適なマスクを着用することを呼びかけている。

また、米保健福祉省は今月、「コロナに感染する回数が増えるほど合併症のリスクは高くなる」とツイッターであらためて注意を促している。

全米で新型コロナへの感染による病気や死亡が続いているにもかかわらず、行動の「正常化」を急ぐのはイン・アンド・アウトだけではない。ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)のスタッフからは、N95マスクの着用を認めてもらえないという不満の声を以前から耳にしてきた。支給される薄っぺらなサージカルマスクしか着けてはいけないという。他方、患者側から担当スタッフにマスク着用を頼まないといけないケースもあるようだ。

マスクを着用したい人のなかには、新型コロナの感染予防以外が理由の場合もあるだろう。ここ数週間、カナダの大規模な山火事の影響で、米国の広範な地域で空気の質に関する警報が出されており、マスクで大気汚染から身を守りたいという人もいるはずだ。

マスクの着用禁止という、健康に明らかにリスクがあることをイン・アンド・アウトが従業員に強いるのは、正当化できる根拠に乏しいと思われる。たぶん、訴訟が起こされることになるだろう。企業の利益や関心と従業員の健康や安全、裁判所はどちらが優先されると判断するだろうか。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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