2005年にシリコンバレーで発足した「Yコンビネーター」を筆頭に、スタートアップ・アクセラレーターは米国をはじめ各国でブームとなりました。そして、いまや米国の500 GlobalやTechstarsは日本の政府や自治体にもプログラムを提供しています。このように国際展開するアクセラレーターは米国発が主で、アジアから生まれることはまれですが、2012年に発足した韓国発の「SparkLabs」は目を引く組織です。
韓国では約20のアクセラレーターが先行しており、2012年時点では後発でした。それでも、2015年末には韓国アクセラレーター界でのリーダーとなり、米国、豪州、台湾、シンガポール、香港、サウジアラビアでアクセラレーターを、そしてグローバルでのスタートアップ投資も展開しています。
2023年6月8から9日に東品川で開催されたスタートアップイベント「Takeoff Tokyo」では、SparkLabs Group共同創業者兼パートナーであるバーナード・ムーン氏が来日。彼に話を聞きました。
韓国発で米国にもアジアにも展開
SparkLabsは、2012年から韓国の起業家向けにアクセラレータープログラムを始めました。シリーズAからレイトステージまで、幅広く投資を行うVCを持ち、ある程度成長したスタートアップがアクセラレーター参加を希望することもあるといいます。また、携帯電話事業大手のSKテレコムや金融大手のシンハン・ファイナンシャルグループ、スキンケアのL&P CosmeticとのCVC、FacebookやGoogle、メルセデスベンツ、ユニバーサルミュージックなどとのアクセラレータープログラムなど、大企業とのコラボレーションも展開しています。
2014年には米国本拠のグローバル・シードファンド「SparkLabs Global Ventures」を立ち上げました。すでに70社以上(半数近くは米国)のスタートアップに投資をしています。
豪州では、2017年に農業やフードに特化したアクセラレーター「SparkLabs Cultiv8」が発足し、46社を投資育成。2023年にはクリーンテック企業に向けたアクセラレータープログラムも始めました。