計6人で共同創業した、韓国版Yコン
どのようにしてSparkLabsはグローバルで躍進できたのでしょう?バーナード氏によるとSparkLabsは、「学友とシカゴで起業し、成功を収めた、韓国生まれのハンジュ・リーが2012年に韓国版Yコンビネーターをやろうと呼びかけた」と言います。
その一人が、ハンジュの友人のいとこ、シカゴ育ちで米国で数社の起業経験をもつバーナード・ムーン。そしてもう一人がバーナードと、米国でスタートアップ2社を共同創業したジミー・キム。そして、ミシガン大学で学び、NHNやテンセントなど米韓のゲーム会社でキャリアを積んだユージン・キム。
この4人に加え、香港のグローバル・スタートアップ投資家フランク・ミーハン、そしてモルガン・スタンレーでアジア各国を経験し、アジアでの投資を取り扱うパシフィック・アドバイザーズのジェイ・マッカーシーの2人。いずれも国際性と経験が豊富な計6人が共同創業しました。
日本のアクセラレーターやシードファンドは、1人か少数の創業者が引っ張ることが多く、米国の学部卒がこれだけ揃うことはなく、また意外と起業経験者が少ないものです。国際性豊かで起業家が半数以上を占めるチーム創業は、SparkLabsの特徴と言えるでしょう。
SparkLabsのアドバイザーには『エクセレント・カンパニー』などの著者として有名なトム・ピータース氏から、MCハマーとして一世を風靡したハマー氏まで、世界的な大物たちが何人もいます。
「妻が勤めていたグーグルでは、隣の席にインターネットの父であるヴィント・サーフ氏がいました。彼にもアドバイザーとして入ってもらっています。縁が縁を呼び、雪だるま式に大物アドバイザーを招聘できました」(バーナード)
そしてSparkLabsは、グローバル志向と人のネットワーク、そしてエコシステムへのフォーカスが、他の韓国アクセラレーターと違う点です。
「韓国内では小さな成功を志向する起業家が多くいます。そうではなく、韓国から世界に打って出るスタートアップを育成することを掲げ、それを助けるチームとメンター陣で明確なポジションを打ち出した」とバーナードは語ります。
そして海外視点を取り入れるため、例えば、シリコンバレーの起業家を呼び、関係を持つスタートアップと積極的に引き合わせているそうです。