これまで「白のみ」とされていた服装規定が今年、2014年以来の改訂が行われ、女子選手が濃い色の下着を着用できるようになった。これは生理中の女子選手に白一色の下着着用を強いることへの懸念を受けたもので、規定変更の方針は昨年秋に発表されていた。
3日に始まった本戦では、アリーナ・サバレンカを皮切りに、エレーナ・リバキナ、ビクトリア・アザレンカといったトップ選手が黒や濃い色の下着を着用した。
昨年の新規定発表の際、ウィンブルドンを主催するオールイングランド・クラブのサリー・ボルトン最高責任者は、「選手をサポートし、どうすれば最高のパフォーマンスを発揮できるかという選手のフィードバックに耳を傾けることを約束する」と表明。「このルール調整によって、潜在的な不安の種を取り除くことで、選手が純粋に自分のパフォーマンスに集中できるようになることが私たちの望みだ」と述べた。
この変更に先立ち、米国のココ・ガウフや英国のヘザー・ワトソンら、さまざまな選手が、白い下着着用を強いられる不安や、生理中の試合への懸念について語っていた。一方、オンス・ジャバーとカロリーナ・プリスコバは、黒い下着を着用しない意向を示している。その理由として、プリスコバは白のみの服装規定は気にならないと説明。ジャバーは、黒い下着を着けることで生理中だと思われたくないという考えを語りつつも、コート上での選手の快適さを向上させるための変更は良いことだと話している。
変更されたのは、10項目からなるウィンブルドンの服装規定の第9条だ。新規定では、プレー中に見える下着について、「1センチ以内の幅の色の縁取りを除き、完全に白でなければならない。ただし、女子選手は、ショーツまたはスカートより長くないことを条件に、無地の中間色または濃い色のアンダーショーツを着用することができる」と書かれている。
白い服装へのこだわりは、テニスの世界では長年にわたり存在してきた。ウィンブルドンは1963年、選手の服装を「白基調」と規定。これまで各選手・企業がこのルール迂回を試みてきたが、ウィンブルドンはこの規定を固持。同大会の歴史に詳しいロバート・マクニコルによれば、ウィンブルドンは1995年、服装規定をさらに厳格化し、「ほぼ白一色」とした。2014年には、アクセサリー類が初めて規定に追加された。
一部のトップ選手が新しい服装規定に沿った下着を着始めたことから、今後より多くの選手がこれに続き、ウィンブルドンで色付きの下着が主流になるのも時間の問題かもしれない。
(forbes.com 原文)