7月16日(現地時間)まで開催される今大会について、過去最高の賞金総額4470万ポンド(約80億円)と、シングルスの優勝賞金235万ポンド(約4.2億円)が話題だが、IBMと大会を主催するAll England Lawn Tennis Clubが開発した、最新テクノロジーについても注目してみたい。
生成AI技術を活用した新機能を用いて大会期間中の全ハイライト動画の解説を作成する「IBM AI Commentary」と、シングルスの各選手にとって決勝への道のりがどれだけ有利かを判断する、テニス界初の統計「IBM AI Draw Analysis」が、ウィンブルドンの公式アプリおよびwimbledon.comのファン向けデジタルツールの新たな機能として提供される。
これらのデジタル機能は、大会期間中のすべてのショットから得られた10万以上のデータ・ポイントを、IBM Cloud上のIBM WatsonのAIテクノロジーで分析したもので、大会期間中、ファンがどの選手をフォローすべきか、またフォローしている選手に合わせてパーソナライズされた最新の情報を入手することができるのだという。
All England Club マーケティング&コマーシャル・ディレクターのウサマ・アルカサブ(Usama Al-Qassab)氏は、「All England Clubは、パートナーであるIBMと共に、ウィンブルドン選手権のファンが世界のどこにいても、洞察力に富んだ魅力的なデジタル体験を提供できるよう、常に革新的な取り組みを行っている」とコメントしている。
IBM AI Commentaryとは
ウィンブルドンでは、解説者によるライブ解説が行われる試合に限りがあるが、今年からこの機能が導入されることでライブ解説の対象以外の試合でも、エキサイティングな方法で音声解説とキャプションを利用できるようになる。オン・オフの切り替えも可能だ。IBM iX(IBMコンサルティング事業本部のエクスペリエンス・デザイン部門)の専門家が、All England Clubと協力して、テニス特有の言語をAIに学習させ、生成AIを適用して、情報量の多い魅力的な動画になるように、文章構造や語彙を変化させたナレーションを作成した。