大坂なおみは長者番付「異例」の存在、続く女子選手は現れるか?

大坂なおみ(Photo by Sean Zanni/Patrick McMullan via Getty Images)

大坂なおみ(Photo by Sean Zanni/Patrick McMullan via Getty Images)

コートで獲得した賞金、そしてその他の収入により、テニスの大坂なおみ選手(24)は、フォーブスが先ごろ発表した最新の「世界で最も稼ぐスポーツ選手」ランキングで19位に入った。

女性アスリートでは1位となった大坂の過去12カ月間(今年5月1日まで)の収入の総額は、推定5920万ドル(約76億円)。2位のセリーナ・ウィリアムズ(40)の年収は約4530万ドルで、全体のランキングでは31位だった。

女子スポーツの世界おいて、大坂とウィリアムズが収めたこの“勝利”は、決して小さなものではない。女性アスリートで3位だったセリーナの姉、ビーナス・ウィリアムズの年収は、ランキングの最下位である50位の選手(3760万ドル)より2000万ドル以上少なかった。

さらに、50位までに入った女性アスリートは、2017~19年には一人もいなかった。大坂とセリーナ以外の女性が最後にランクインしたのは、2015年。2970万ドルを稼いだ、同じテニスのマリア・シャラポワだった。

「別格」の存在


スポンサーの獲得において、大坂なおみとセリーナ・ウィリアムズほどの“集客力”を持つ女性アスリートはほとんどいない。

大坂が契約しているスポンサー企業は、ナイキ、マスターカード、ルイ・ヴィトンなど20社を超える。過去12カ月のコート外での収入(税引き前・エージェント手数料込み)は、およそ5800万ドルだった。これは、ロジャー・フェデラー、レブロン・ジェームズ、タイガー・ウッズに続く4位の金額だ。

また、大坂はコートの外では、全収入のランキングでトップのリオネル・メッシ、3位のクリスティアーノ・ロナウド、9位のトム・ブレイディをはじめとする数々の著名アスリートたちを上回る額を稼いでいる。

一方、1995年にプロデビュー、17歳だった1999年に全米オープンで初優勝して以来、スポットライトを浴び続けているセリーナは現在、ナイキやグッチなど、十数社とスポンサー契約を結んでいる。

そのほかドキュメンタリーの制作でアマゾン・スタジオと契約するなどもしており、セリーナが昨年、コートの外で得た収入は約4500万ドル(10位)だった。自ら立ち上げたセリーナ・ベンチャーズを通じて、ベンチャーキャピタリストとしても活躍している。
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編集=木内涼子

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