Vantaは創業以来毎年、年間経常収益を少なくとも2倍に増やし、今では推定8000万ドルを売り上げている。しかし、同社は、2019年から2021年までは利益を上げていたが、現在は、多くの新興企業と同様に損失を出している。Vantaが黒字化を達成するためには、激化する競争を乗り切る必要がある。
同社の競合にはDrataやSecureframeなどが挙げられる。Drataは、少なくとも評価額の点ではVantaよりも早く成長しており、2020年に設立された同社の評価額は20億ドルに達している。
Vantaの差別化計画には、同社のソフトウェアが提携できる企業数の拡大が含まれている。さらに、昨年からサポートするコンプライアンス基準の数を増やす取り組みを開始した。同社は、ヨーロッパにも進出し、2022年後半にアイルランドに初の欧州オフィスを開設し、ヨーロッパの複雑な規制システムにも対応しようとしている。
セコイアのリードは、Vantaが収益や顧客数の伸びを含む5つの指標において、彼の投資ポートフォリオの上位1%に位置すると述べている。
スタンフォードを卒業し大手VCに勤務
カシオッポは、eBayでビーニーベイビーのぬいぐるみを販売していた11歳の頃から、クリエイターを志していたが、スタートアップの創業者になりたい思っていた訳ではなかった。両親がともに心理学の大学教授だった彼女は、22歳になるまで「教授以外の何かになれるとは思わなかった」と冗談めかして話す。スタンフォード大学で経済学を学んだ彼女は、経営科学と工学の修士号を取得し、2010年から2012年までユニオン・スクエア・ベンチャーズでアナリストとしてアーリーステージの投資に携わった。
彼女の最初の起業は、2013年のことで、スタンフォード大学の同級生で現在はVantaのエンジニアリング責任者を務めるマット・スピッツと共同で設立したソフトウェア企業のNebula Labsだった。しかし、同社はうまく行かず、スピッツとカシオッポはともにDropboxに移った。
2014年にカシオッポは、Dropboxの新たなプロダクトのDropbox Paperのプロダクトマネージャーに就任した。