UNDER 30

2023.06.09 17:00

ヘイリー・ビーバーも選出 米クリエイターエコノミー 4人の新星

Forbes JAPAN編集部

ヘイリー・ビーバー Rhode Skin創業者、モデル

数十億円規模の収入を稼ぎ、ハリウッドスター並みの人気を誇る者も登場。いま最も注目のクリエイターエコノミーの若きリーダーたちを紹介する。

毎年、各分野で30歳未満の優れた人物30人を選出する米フォーブスの「30 UNDER 30」。第12回を迎えた2023年のリストが年末に公開された。今後の活躍が期待される若手1万2000人の中から、米フォーブス編集部が独立した専門の審査員の協力を得て、資金調達、収益、ソーシャルインパクト、創意工夫、将来性といった項目を基に審査を行い、600人が選ばれた。

今回、マーケティング部門など様々な分野でクリエイターエコノミーに関わる若手が躍進した。注目のクリエイターのひとりが、TikTokの広報専門家として、注目のトレンドやブランドの広報活動を分析するロビン・デルモンテ(28)。そのほか、人工知能を搭載したツールで企業や個人のバイラル効果を分析する「トレンドポップ」を共同設立した、ジョナサン・ベンツア(28)とヨアブ・ジマーマン(28)。

さらに、タレントエージェントとしてクリエイターを支援する「グリー」の共同設立者クリスチャン・ブラウン(24)とディラン・デューク(23)、インフルエンサーを支援する「インフリュエント」と「グロービア」を共同設立したイアン・ブロディ(26)とロブ・シャブ(27)など、枚挙にいとまがない。

米フォーブス30UNDER30 2022の中から、クリエイターエコノミーの代表的な若きビジネスリーダー4人を紹介する。


1 ヘイリー・ビーバー Rhode Skin創業者、モデル

InstagramとTikTokのフォロワー数6000万人を誇る、ソーシャルメディアの顔と呼ばれる人気モデルのヘイリー・ビーバー。17歳でモデルデビュー。以来、ジミーチュー、リーバイス、サンローランといったブランドとエンドースメント契約を結び、一躍注目されてきた。

自称「スキンケア・ジャンキー」というヘイリーが愛用するコスメは、それがブランドロゴのないサンプル品でも、フォロワーの注目を浴びる。

2022年6月、ビーバーは愛用のサンプル品のヒミツを公表した。その正体は、彼女が2020年に設立したスキンケア会社「ロード・スキン」が製造したコスメだ。3種類の価格はどれも30ドル未満。「理想的な肌のために高額を支払う必要はない」という彼女の哲学を体現した。

ロード・スキンの化粧品を求める人は、ビーバーの予想以上だった。発売以来、全商品すべて70万人の予約待ち。直近の再入荷では、1秒間に36個の割合で商品が飛ぶように売れた。2022年の売り上げは、8桁に達する見通しだ。

26歳のビーバーにとって、モデルから経営者への転身は自然な進化であると同時に予想外でエキサイティングな新章でもあった。子どものころから、母や祖母が入念に肌をケアするのを間近に見てきた。会社の名称を、母方の家系から受け継いだミドルネームにしたのもそのためだ。

しかし、起業の世界に飛び込むことに疑問を持たなかったわけではない。モデルとしての成功や綺麗な肌の評判にもかかわらず、自信喪失に悩んだこともあったという。ローンチ前にもっとも心配したことの一つは、「真剣に受け止めてもらえないのではないか」という不安だった。「創業者として、起業家として、私のことを真剣に見てくれる人がいるのだろうか?」と考えたという。
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編集=クリスティン・ストローラー、スティーヴン・ベルトーニ 写真=ティム・タダー 編集、翻訳=中沢弘子

この記事は 「Forbes JAPAN 5月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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