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2023.06.19 07:30

減速するテック業界でも急成長。評価額55億ドルの決済ユニコーン

Courtesy of Airwallex

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50年以上も寡占状態だった国際送金の市場が“破壊”されつつある──。群雄割拠するデジタル決済市場の革命は、豪州のカフェから始まるのか。


コロナ禍で急成長したテクノロジー業界に揺り戻しが起きている。景気後退を見据えた人員削減や、事業の縮小。ダウンラウンドが増えるなど、スタートアップへの視線も以前より厳しいものに。新興企業間の統合・再編が進み、競争が激化する逆風のなか、強気の姿勢を隠さない豪州発のデジタル決済企業がある。共同創業者を突き動かすものとは何か。

たった数年前までルーシー・リウ(31)は、中国での仕事を辞め、豪メルボルンのカフェでくつろぐふつうの人だった。それが今では、フィンテック企業「Airwallex(エアーウォレックス)」の共同創業者兼会長として注目を集めている。

Courtesy of Airwallex

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エアーウォレックスは、2015年に香港で設立された中小企業向けのクロスボーダーの決済プラットフォームを開発する企業で、リウは4人の共同創業者のうちの1人だ。同社は、銀行口座や法人向けクレジットカード、経費管理システムに加え、後払いの決済サービスなどを提供している。

香港とメルボルンに本社を構え、中国のeコマース大手のJD.comや豪州のカンタス航空をはじめ、豪州や香港、シンガポール、英国、米国などで、4万社以上の顧客を抱えている。22年10月に完了したシリーズEラウンドで、4億ドルの資金を投資会社DSTグローバルやセコイア・キャピタル・チャイナ、テンセントから調達。同社の評価額は55億ドルに達し、ユニコーン(評価額10億ドル以上の未上場企業)とされている。

かつて中国の投資銀行「中国国際金融(CICC)」で投資顧問として働いた経験をもつリウは、起業した目的についてこう語る。

「私たちは、ビジネスに力を与えるインフラを構築することに重点を置いています。グローバルな金融インフラは、多くの時間や資金と労力を必要とするもので、簡単にまねできるものではありません」
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文=ジョン・カン 編集=上田裕資

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