アジア

2023.07.03 08:30

中国が東南アジアから撤退開始、経済問題に直面し

この分野に関心を持っている人は中国が抱える経済と金融の問題の根源をよく知っているはずだ。ゴールドマン・サックスは分析で、中国の不動産開発部門、特にエバーグランデの破綻危機の影響が尾を引いていることを強調している。そして、かつて中国経済の30%を占めていた同部門は当分、低迷が続くだろうと結論づけている。

直近では、2023年に驚くべきスピードで回復した中国経済が再び著しく減速していることが明らかになっている。中国の5月の輸出は前年同月を約7.5%下回った。国内経済活動を示す輸入は前年同月比4.5%減となった。多くの貿易が行われている韓国からの輸入は前年同月から20.8%減少した。中国が国内および世界に販売する製品の多くに欠かせない半導体の輸入は前年同期比15.5%減だった。経済活動が停滞しているということをさらに如実に示しているのが原材料輸入の減少だ。発電に不可欠な石炭の出荷量は、最も多かった昨年3月から急激に減少した。

欧州はすでに景気後退に転じた可能性があり、低迷している米経済もおそらく景気後退の危機に瀕している。そして中国の重要な輸出部門がすぐに回復することは期待できない。実際、世界経済が低迷するなか、多くの人は中国がすでに引き下げられている今年の実質成長率目標5%を達成するのは難しいだろうと予想している。このような経済的制約に直面している中国が、東南アジアでかつての存在感をすぐに取り戻すことはなさそうだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事