中国ファストファッション「SHEIN」が米国IPO説を否定

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中国で設立されたファストファッション通販サイト「SHEIN(シーイン、希音)」は、ニューヨーク市場での新規株式公開(IPO)を米証券取引委員(SEC)に非公開で申請したと6月29日のロイターが報じた。しかし、強制労働などの疑いで物議を醸す同社は、この報道を否定している。

SHEINは、フォーブスに宛てたEメールで、同社がIPOを申請したと報じたロイターの記事にまつわる噂を否定した。ロイターによると、新疆ウイグル自治区での強制労働の疑惑で物議を醸している同社は、米国に上場する中国企業の中で評価額が最大の企業になる可能性がある。

SHEINの評価額は今年3月に20億ドルを調達した際に660億ドル(約9兆5600億円)とされたが、この評価額は1年前から25%の下落だったとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は伝えている。

フォーブスからのコメント要請に、SHEINは直ちに返答しなかった。

SHEINは、多様な種類のアパレルを低価格で販売するプラットフォームとして米国での存在感を確立した。Money.co.ukが発表したレポートによると、SHEINは昨年、最もグーグル検索の回数が多い衣料品ブランドとなり、Zaraやナイキ、アディダスといった企業を追い抜いたという。

しかし、同社は、新疆ウイグル自治区での強制労働や高い環境コストなどを批判されており、議員たちはSECに監視を求めている。SHEINは2021年に約630万トンの二酸化炭素を排出したとされるが、強制労働の疑惑を否定し、関税や輸入に関する法律を遵守してきたと主張している。同社は先日、6人のインフルエンサーらを中国の工場に招待し、これまでの疑惑を払拭しようとしたが、その試みも懐疑的な目で見られている。

SHEINの評価額は、昨年4月に1000億ドルに達し、H&MとZaraの合計を上回ったとWSJは伝えていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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