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2023.06.23 12:30

TikTokショップは米国で成功する? 東南アジアでは44億ドルの売上も

米国人口の約半数が利用しているTikTok。Eコマース部門は成功するか?

小売企業のケーススタディ

TikTok Shopは期待できるプラットフォームですが、販売者やクリエイターがこの機能を最大限に活用するためのリソースであるTikTok Shop Academyで紹介されているケーススタディは、非常に分かりにくいのが難点です。
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というのも、ケーススタディで紹介されている販売者例は、もはや店舗を構えている様子がなく、投稿も数ヵ月間滞っており、商品も紹介されていない、あるいはアカウントがない状態がほとんどだからです。

とはいえ、米国では、PacSun、Benefit Cosmetics、Revolveなど、同プラットフォームを活用している有名小売企業が既にいます。

下図のように、Revolveのアカウントページでは、“Shop”のアイコンから、TikTokアプリ内のトップページに移動することができ、ユーザーは、アプリ内で商品を閲覧したり、カートに入れたり、決済したりすることができます。
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RevolveのTikTok Shop画面とTikTokアプリ内での決済までのシームレスな流れ
出典:TikTok

とはいえ、大手小売企業やブランドの多くは、まだこの新プラットフォームを採用していません。

また、Amazonの機能で、ユーザーが商品を購入すると手数料がもらえるキュレーションストアフロントを作ることができるAmazon Storefrontsのように、TikTok Shopでは、フォロワーを誘導するクリエイターの声はまだ十分にそろっていないようにも見受けられます。

WHAT WE THINK

TikTokの2023年3月時点のMAU(月間アクティブユーザー)1億5000万人によると、米国人口の約半数がTikTokを利用しており、ブランドや小売企業が消費者とエンゲージする上で重要な存在となっています。より摩擦の少ないシームレスな買い物や決済方法は、より高い普及率につながると思われます。

また、Amazon Storefrontsの人気は、TikTok Shopと同様に、商品を販売することでクリエイターにコミッションが入る方法にあり、このことはTikTok Shopにとって良い兆しでしょう。

しかし、現時点では、ソーシャルメディアアプリでの直接購入は、米国では期待されたほど受け入れられていないようで、これは、Instagramがホームページから買い物タブをなくし、広告やリールのような機能によるコンテンツ共有に重点を置いていることからも明らかです。

ブランドや小売企業にとっての意味合い

・ブランドや小売企業は、特に若い消費者をターゲットにしている場合、何らかの形でTikTokを採用する必要があるでしょう。アプリ内で直接販売を促進することも含め、さまざまな方法で同プラットフォームを活用することができます。

・ブランドや小売企業は、アフィリエイト・マーケットプレイスを通じて、ブランドの認知度やエンゲージメント、ひいては売上を向上させることができるクリエイターをじっくりと見極めることが大切です。TikTokでの消費者エンゲージメントの中心は信頼性であり、パートナーとして適切なクリエイターを選択することで、素晴らしい結果をもたらすことができるでしょう。


※この記事は、2023年4月にリリースされたRxR Innovation Initiativeからの転載です。

文=RxR Innovation Initiative

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