幸福度の高さの要因は、家族との時間と挑戦気質。東海大で学んだ精神が仕事にも生きています。
トーベン・イェンセン:デンマーク人の父と日本人の母をもつ私は、コペンハーゲンで生まれ育ちました。母が近所の東海大学の施設で働いていたので、小さいころから遊びに行き山田さんたちにもかわいがってもらっていたんです。デンマークは幸福度が高い国だといわれますが、よいデザインで長持ちする家具や装飾で家を彩ったり、森を散歩しキノコ採りやベリー摘みを楽しんだり、家族との時間を大切にします。私も日曜朝に父とパンを買いに行き、家族で朝食をとるのが約束事でした。
学び続けて新しいことに挑戦する人も多く、たとえ失敗しても諦めずに再び挑むような気質もあるので、人生の回り道をするのだって当たり前。大学に入学する前に、学んだり働いたりする自由な猶予期間「ギャップターム」をもつ人が多いんです。私も、兵役で少尉まで務めてから、東海大に留学、その後コペンハーゲン商科大学で学びました。
35年ぶりの湘南キャンパス、懐かしいですね。「若き日に、汝の思想を培え、体躯を養え、智能を磨け、希望を星につなげ」という建学の精神にも、感銘を受けました。いま思えば、東海大学で学んだこの精神と、「お客さまに夢を与え未来を拓いていく」という、私の仕事であるエンターテインメントの使命が似ているのは、運命だったのかもしれません。
「エグゼクティブ異種交遊録」は、能動的に出会いを求めるアクティブな経営者たちを繋ぐ「場」と「機会」を提供するコミュニティ、Forbes JAPAN SALONの会員をつなぐ連載です。