1.東京芸術大学美術学部(絵画科油画専攻の場合):338万4900円(学費のみ)
2.ウィーン美術アカデミー美術学部:約400万〜476万円(学費無料+交通費+保険料+家賃+食費)
3.武蔵野美術大学造形学部(油絵学科油絵専攻の場合):670万1600円(学費のみ)
4.多摩美術大学美術学部(絵画学科油画専攻の場合):694万6000円(学費のみ)
今も昔も学費が安いからという理由で、志望校を芸大一本にして美術予備校に通い詰める若者はいることと思います。けれど、近年の度重なる学費の値上げはもちろんのこと、美術予備校自体も現役生の夜間部なら年間約50万、浪人生の昼間部なら年間約80万円の費用がかかりますし、地方から東京に出てきて一人暮らしをしながら大学や予備校に通う場合、学費だけでなく生活費や家賃もかかります。
これを合算して考えるとドイツ語圏の美大に進学して生活することは、日本の美大に進学する時の費用とあまり変わらないどころか、奨学金などを使えば、かなり安く済むケースも多々あることがわかると思います。
[注:なお、各大学の必要経費計上にあたって参考にした各サイト、ならびに計上方法は以下である。
東京芸術大学 美術学部 絵画科油画専攻:(入学手続時支払金と教材費(それぞれ1回)、授業料(4年分)で計上)
武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科油絵専攻:(入学費と交友会費(1回)、学費と実習費(それぞれ4年分)で計上)
多摩美術大学 美術学部 絵画学科油画専攻:(入学金(1回)、入学金以外の学費(4年分)を計上)]
ウィーン美術アカデミーとは
1692年開校。オーストリアにおいて最も権威のある美大だそうです。アドルフ・ヒトラーが美大に落ちて政治家になったという話は有名ですが、その落ちた美大がこのウィーン美術アカデミーです。
卒業生にはフランツ・プフォル、ジモン・グリュックリッヒ、アルフレート・ロラー、ラファエル・キルヒナー、エゴン・シーレ、ゴットフリート・ヘルンヴァインなどがいます。
日本では、東京芸術大学、東京造形大学、京都芸術大学が協定校になっています。
美大受験までにやっていたこと
作品制作について(「創形美術学校」海外美術留学準備コース ドイツクラスに通う)
ぼくは高校が美術科で、日ごろから作品制作にいそしんでいたこともあって、比較的作品制作の経験がある方でした。ただ、最終的にアカデミーの入試で提出したポートフォリオ(作品集)に高校時代の作品は1点(卒業制作)しか載せませんでした。ドイツ語圏美大でも、都市部(ベルリンやミュンヘン、ウィーン等)の大学では日本の美大と同様に、一定の作品のクオリティが求められるように感じます。しかし、ここでいうクオリティというのは、日本で求められるデッサン的な能力や造形能力の高さなどではなく、作品の持つ説得力のようなもののことを指すと思います。
継続的かつ一貫した作品制作をすると、反復ゆえに手が慣れてきて「上手く」作品を作ることができます。それを逆に良しとしない大学もありますが(地方の美大はそんな感じがする)、ポートフォリオを教授に見てもらった時に説得力を持つのは前者なのかなと思います。それは同じ様な作品をただただ制作していくのではなくて、自分の興味のある分野についていろんな視点から掘り下げて作品を作ったりするということです。
視点の数が増えるほど作品の数は増えますし、同じ人間が作っているものなので、突然まるで違う人が作ったかのようなスタイルに激変するということはありません。ここでいうクオリティとは、そのような作品(視点)の反復性の様なものを指すのかなと思います。
高校卒業後は創形美術学校の海外美術留学準備コース(以下留学コース)のドイツクラスに週2日通って、ポートフォリオの指導を受けたり、作品制作をしたり、美大の情報を入手(これが一番大事)したりしていました。
ほぼ一年を通して留学コースに通いましたが、留学準備の費用を節約するために、夏季や受験がほぼ終わりに近づいた時期には自宅で制作をして、高津戸優子さんの個人のオンラインクラスを受講していました。
・創形美術学校 海外美術留学準備コース
・ドイツ美術大学受験準備 オンラインクラス “ Pinsel(ピンゼル)”
留学コースのドイツクラス担当講師である高津戸優子氏が個人で運営するドイツ美術大学受験準備のためのオンラインクラス。高津戸氏は2023年10月以降は Pinsel というオンランクラスをメインに指導予定。