語学について(教室では会話、宿題で文法やリスニングを)
ドイツ語圏の美大でドイツ語能力を必要としない大学はフランクフルトにあるstaedelschuleのみです。他の大学は絵画科であったとしても最低B1〜C1のドイツ語能力を求められます(参考:ドイツ語レベルについて )。ウィーン美術アカデミーは入学後1年以内にドイツ語B1と緩めです。基本的に都市部の大学は語学要件が低く、地方に行けば行くほど語学要件が高くなるという傾向があります(もちろん例外もあります)。基本的には受験する年の春にはB2レベルのドイツ語検定に合格しておくのが理想と言えます。ドイツ語学習の厄介なところは、英語と違って単語帳があまり多く売られていないということです。ゲーテの問題集やネットの記事などを見ていてわからない単語にマーカーを引き、辞書で意味を調べてルーズリーフにまとめて赤シートで覚えるという作業を2年間ずっとやっていました。今もやっています。
ぼくはドイツ語圏美大受験を決めた高2の冬から、地元の異常に安いドイツ語教室に週1で通い始めました。通う前に本を買ってアルファベットやIch spiele(英語でいうところのI play)レベルのドイツ語の文法を勉強してから教室に入りました。
教室のスタンスとしては、教室では基本ドイツ語の会話を重視し、宿題で文法やリスニングをやってくるというのが原則です(宿題の説明は丁寧にしてくれます)。時間を無駄にしていない感じがしてぼくにはとても合っていました。
高校を卒業してからは、しばらく週3で個人レッスンを受けていました(のちに週1のクラス制に戻しています)。
出願要件について
日本人がドイツ語圏美大を受ける時の出願要件として、「他国の(日本含む)大学入学資格(HZB)をもっている枠」と「大学入学資格(HZB)なしで受験する枠」の2つがあります。「他国の(日本含む)大学入学資格(HZB)をもっている枠」というのは、 (https://www.daad.jp/ja/study-in-germany/admission-requirements/)
この2つが揃わないと大学入学資格(HZB)は得られないということですが、僕が通っていた高校では数学と理科の授業が3年生の時だけ無かったので、ぼくは大学入学資格(HZB)なしでの受験となりました(注:なお、2023年10月から日本の高校を卒業した場合の要件の内容が大幅に変更になるようです)。
よって、ぼくは大学入学共通テストを受験する必要はなかったということですが、学校によっては入学時の書類に必要になることもあるそうなので、持っている書類は多いということで受験しておいた方が無難ということはあるかもしれません。ウィーン美術アカデミーを受験する際は不要です(入試の合否はポートフォリオで決まるので、資格の有無はそこまで気にすることではないと思います)。
大学の情報集めについて(DeepL翻訳に頼りすぎるのは危険)
ぼくは9校も受験したため、書類のとりまとめや情報の整理が本当に大変でした。Googleスプレッドシートに表形式にして各大学の情報をまとめ、ひとつひとつ書類の漏れがないか確認しながら慎重に出願や書類提出をしました。あまりにも作業が煩雑なため、書類漏れなどによるミスに苦しむ人もいますが、これは確認する癖をつけるしかありません。また、受験の情報は大学のHPから確認できますが、DeepL翻訳だけに頼っていると誤訳で痛い目に遭うということが必ずあります。DeepL翻訳で作業を簡略化するのは必要ですが、自分で確認する癖もつける必要があります。
大学によっては、ドイツ大使館で高校の卒業証明書のコピー認証をもらう必要があったり(ブレーメン芸術大学)、USBスティックと書類を現物提出する必要がある大学(ドレスデン美術アカデミー)もあったりします。
そういった細かい情報の調べかたや情報提供も、創形美術学校の留学コースのドイツクラスや、高津戸さんが個人で運営しているドイツ美大受験準備オンラインクラス Pinselで教わりました。