時間になったらZoomのリンクを開いて開始します。英語、ドイツ語どちらでも可能です。最初にどちらが良いか聞かれます。また、試験前日までに通訳者を同席させることをメールで返信すれば、通訳者の同席が認められます。ぼくは、ドイツ語で面接する能力は最低限ありましたが、他の受験生が通訳を使っていて自分が不利になるという状況になるのは避けたかったので、通っていた地元のドイツ語教室のオーストリア人の先生に無理矢理時間を空けてもらって頼みました。
面接の内容は以下の通り。教授2名+アシスタント2名相手に30分ほど。
・作品のプレゼン(5分だが、厳密ではない。長すぎなければOK)
・プレゼンに対する数多の質問への回答
質問「ウィーンに移り住んで勉強する気はあるのか?」(おそらく日本在住だから聞かれたのだと思われる)
質問「どうしてウィーン美術アカデミーで勉強したいのか?」
質問「大学でなにをしたいのか?」
質問「好きなアーティストは?興味のあるムーブメントは?」
こちらからの質問タイム(クラスの様子について質問しました)
などでした。
7.最終合格発表(2022年5月24日日本時間20時)
合格発表もポートフォリオの合否同様、メールで来ます。
やはり、20時0分0秒にくるわけはなく、3分ほど遅れてきました。でも他大学と比べてもしっかりしているほうです(こういうところも大学を見極める上では大事です)。
ポートフォリオについて
ポートフォリオ審査の良いところは、入試当日に一発芸的に描いた絵だけを見てその人の芸術性に点数をつけられるということがないという点です。日本の美大入試における「彫刻科」や「日本画科」で、作品制作の実技能力(正確に描けるかどうか等)で比較することは一定の合理性があるかもしれません。が、「油画」専攻の入試に関しては、絵の上手い下手というよりは、「採点者の教授の価値観にそった絵を如何に描けるか」という点が大事で、しかもその基準はきわめて曖昧です(漫画「ブルーピリオド」にくわしいかもしれません)。これに迎合することは、「良いアートを作る」こととは全く別、というところに問題があると思います。
僕のポートフォリオ
全てのページを見せたらキリがないので、一部だけをお見せします。ポートフォリオは、志望理由と作品のコンセプトからはじめます。コンセプトは大まかにいうと、「人間はこの世に生を受けてからあらゆる痕跡を世の中に残してきている。この痕跡をアートの文脈として昇華させることでアートの本質がみえてくるのではないだろうか」といった具合です。
最初のつかみはとても大切なように思います(動画はYouTubeのリンクから見れるようにしました)。
立体作品も。
ドローイング
作品のプロセスをここでも紹介しています。
YouTubeのリンクで作品のプロセスがわかる動画やスケッチも載せています。
スケッチなどもたくさん載せました。
全部で50ページほどにまとめ、アカデミーに提出するために35ページほどに削りました。見ていて感じることと思うのですが、完成された作品というよりは、作品ができるまでのプロセスを見せることができるようにするのが最大のポイントかなと思います。
デザインは、人にいかに物事をわかりやすく伝えるかや、楽しませるかが重要ですが、欧米由来のアートはそこに至るまでのプロセスに脚光を当てて、紐解いていく側面もあると僕は思います。