AI

2023.06.08 17:00

【レポ】生成AIにWeb3。欧米のShoptalkで話題になった最新テクノロジー

パーソナライゼーションのためのコンピュータービジョン:今日、様々な小売企業やテクノロジー企業が、コンピュータービジョンとAIを組み合わせて活用しています。

Pinterestは、この2つの技術を使用して、消費者にコーディネートを提案したり(例えば、「このハンドバッグはこのドレスに合う」など)、アイテムの特定を行ったり(例えば、Taylor Swiftがコンサートで履いていた靴を95%の精度で特定するなど)しています。

Poshmarkは、AIが同社のソーシャルコマースプラットフォームに組み込むことで、同じようなスタイルの消費者同士を結びつけることができたり、メールエンジンが疑わしいものや不正なものを検出したりするだけでなく、顧客からの問い合わせを、MLアルゴリズムで回答できるものと人間の対応を必要とするものを判断し、選別できることを説明しました。

サプライチェーン:ホームインプルーブメント企業のLowe'sは、サプライチェーンに予測機能と拡張性をもたらすことができるAIモデルの活用について説明しました。
Nordstromは、サプライチェーンにおける自動化とMLの活用、特に返品処理、商品の玄関先までのルーティング、時間・価格・コストの最適化について、数多くの活用機会があることを挙げました。

食品小売企業のSonae MCとAhold Delhaizeは、自社の事業でロボット工学をテストした際の成功と課題を挙げました。(テクノロジーを駆使したサプライチェーンについては、本稿の後半を参照してください。)

従業員のエンパワーメント:Lowe'sは、最適化とイベント駆動型のマイクロサービスベースのテクノロジープラットフォームを使用して業務効率を上げることの利点、および大切な従業員の時間を有効活用するためのモバイルデバイスについて説明しました。

Krogerは、AIベースのパーソナライゼーションを従業員のトレーニングに使用し、従業員を単調な作業から解放し、経験を向上させることについて説明しました。

米国のファストカジュアルレストランチェーンのPanera Breadは、Amazon Oneの生体認証ハンドスキャン技術をテスト導入しています。これにより、顧客の素早い本人確認ができるため、従業員はロイヤルティ情報やお気に入り商品にアクセスでき、従業員のちょっとしたストレス軽減につながっていることを説明しました。

Paneraの店舗 Amazon Oneを使って支払いする様子
出典:Amazon

RFIDによる顧客体験の向上:H&MブランドのCOSは、RFID(Radio Frequency Identification)タグによる在庫の可視化と商品の追跡について説明しました。同社では、RFIDスキャナーのガイガーカウンター機能により、従業員は商品が店内にあるかどうかをすぐに確認をすることができ、お客様の待ち時間を短縮できるとともに、商品を探す従業員のストレスを軽減することができていることを説明しました。

自動化、ロボット化への様々な見方:近年、完全自律型店舗が注目を集めていますが、Sonae MCでは、初の自律型店舗をテスト運用した際、フリクションポイントがチェックアウトからチェックインに移行し、利用者は店舗に入るためにコードをスキャンもしくはアプリを使用しなければならず、認証情報を持たない人は買い物ができない状態にあることから、一時運用を停止しました。

その後、同社はこのような課題を改善するために、セルフレジ端末に移行し始めたといいます。同様に、倉庫の自動化も、既存技術との統合が難しいため、必ずしも万能とは言えず、期待したROIが得られなかったケースがあることを紹介しました。

Sonae MCの自律型店舗
出典:企業ウェブサイト
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文=RxR Innovation Initiative

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