今年のShoptalkでは、小売企業の将来にとって重要なテクノロジーが主なテーマとして取り上げられ、最新のイノベーション、トレンド、ビジネスモデル、そして消費者にとっての商品発見、購入先、購入方法について多くのことが語られました。
本稿では、両カンファレンスで話題になったテクノロジーを中心とした主なトピックをまとめています。
Shoptalk USとShoptalk Europeのテクノロジートーク
1. 生成AIが話題の中心に
2022年11月にChatGPTの一般利用が開始され、Google、Microsoft、Salesforceといった大手テクノロジー企業も独自のバージョンを発表したことに伴い、自然な流れとして、両方のShoptalkでは生成AIが話題の中心になりました。・Shoptalkのコンテンツ担当SVPであるKrystina Gustafson氏は、生成AIを、インターネット、スマートフォンに続く世界を変える第三のテクノロジーと位置づけました。ChatGPTの検索数はメタバースのピーク時を上回り、企業は効率化とエンゲージメント強化ができることを理解しているため、生成AIソリューションへの投資が急増していると述べました。
・フットウェア小売企業のZalandoは、生成AIが商品の発見、インスピレーション、インタラクションの促進に活用できるとしており、この技術を取り入れることで、ヨーロッパのEコマース市場におけるファッション分野のシェアを現在の2倍の40%にできることを目指しています。また、スキンケアのSaaSプラットフォームであるHaut.aiは、生成AIを、将来的に驚きの体験を実現することに役立てることができるものとして位置づけています。
・ヘルス&ウェルネス小売企業のGNCは、ChatGPTのようなテクノロジーを活用することで、商品検索をより丁寧に行えること、例えば、ある商品を購入したばかりの買い物客には同じ商品を提案しないことなどを説明しました。
・GPTについては、一部の小売企業からはより現実的なコメントがありました。ある企業の代表者が、取引先の多くは未だにFAXを使っているとしたのに対し、Under Armourは、AIはデータ管理の問題を解決するのに最適であり、3~5年後には素晴らしい可能性を提供するとし、AIはツールの一つであり、導入を恐れる必要がないことを強調しました。
Poshmarkの幹部は、GPTの機能は、あくまでもプラットフォームが取り込むデータに限定されるため、限界があるとコメントしました。また、AIのアウトプットの正確性を確保し、結果の偏りを検出するために、機能のループの中に人間を配置することの必要性についても述べました。
そして、AIやMLは、例えば消費者が牛乳を使い切るタイミングを簡単に予測することができるなど、場合によってはプライバシーの侵害と受け取られる可能性があるため、AIにはブレーキをつける必要があることも付け加えました。
生成AIテクノロジーはまだ初期段階であり、大量のデータの中から目に見えない関連性を見つけ出すAIの能力には、小売企業をより効果的かつ効率的に管理し、消費者とより親密なコミュニケーションを図ることができる多くの可能性があります。
2. 多岐にわたるAIや関連テクノロジーに関する議論
ChatGPTをめぐる最近の盛り上がり以外にも、AIテクノロジーは今日、他の小売企業のアプリケーションにも広く浸透しています。Googleは、2016年にAIの将来の可能性を認識し、それ以来このテクノロジーに携わってきたことを強調しました。現在GoogleがAIを活用している製品には、「Magic Eraser」(写真内に写っている人を消すことができる)や道案内プラットフォームの「Waze」などがあります。
Shoptalk USとShoptalk Europeのディスカッションでは、GPT以外にも以下のようなテクノロジーが取り上げられました: