3. 動画配信はZ世代を中心に多くの消費者へ効果的である
ライブストリーミングなどのビデオ配信は、デジタルネイティブな若い消費者層にリーチするために不可欠なチャネルです。AI/MLは、長い動画から見どころを抽出し、よりインパクトのある短いフォーマットにするための強力なツールです。・ライフスタイル・マーケットプレイスを運営するVerishopのCEOであるImran Khan氏は、動画はストーリーを伝える最良の方法であると述べました。同社は、ライブストリーミングとショッピングビデオの両方を使用しており、動画で商品レビューを伝えることで、コンバージョンが42%向上するとしています。
・Pinterestが提供する短い動画は、消費者がすでに”買い物モード”になっているため、エンゲージメントが10%から30%に高まったと、同社CEOのBill Ready氏は述べました。また、ラスベガスで度々話題にあがった、米国でのTikTok禁止の可能性をうけて、Ready氏は、10人に7人のユーザーがソーシャルメディアを使うと気持ちが落ち込むのに対し、Pinerestを使用すると10人に8人は気分が良くなることを説明しました。
・ストリーミングとコネクテッドTV(CTV)は、魅力的な新しい可能性を提供しています。Googleによると、YouTubeは毎月1億2,500万の家庭で、大画面やモバイル端末に関わらず視聴されているといい、Googleの米州およびグローバル・パートナー担当責任者のSean Downey氏は、動画をより好むのは子どもたちであると説明し、彼らは関連性が高く、より高い再現率があることを説明しました。
・小売分野では、顧客サービスのためのライブ配信がますます浸透しつつあります。ペットは家族の一員とみなされ、飼い主は自らをペットの親であるとし、動物のヘルスケアにスピードと利便性を優先させるため、ペットの遠隔医療も新たなトレンドとなっています。ペット用品小売企業であるChewyは、ペット用品カテゴリーは引き続き堅調であると述べ、ペット保険は有望な新規事業であることを強調しました。
Chewyのペット用遠隔医療サービス
出典:企業ウェブサイト
4. メタバース終焉の噂は大きく誇張されている
メタバースは、消費者が製品について知り、体験するための新しい体験や機会を提供し続けています。NFT価格の暴落、暗号資産の低迷、Meta(旧Facebook)がAI技術に軸足を置こうとしている、などの悲観的な空気が広がっているものの、一部のブランドではメタバースを巡る盛り上がりや動きが続いています。・Gustafson氏によると、メタバースには1日平均6,000万人のユーザーが存在し、その半数以上が13歳以下であるといい、メタバースに精通したこの層を早期に獲得することは、これらのユーザーが年齢を重ね、将来的な可処分所得の増加において、大きなビジネスチャンスになるとしています。
・衣料品ブランドのPacSunは、ティーンエイジャーがゲームのRoblox内でバーチャル服に13ドルを費やすことを厭わず、そうした中に収益機会を見出しているといいます。同社の見解では、メタバースはモールではなく、エンゲージメント手段の一つであり、ショッピングはZ世代の消費者にとってエンターテイメントの一つの形であると説明しました。
PacSunは、PacSun Los Angeles TycoonゲームなどのRoblox上で存在感を発揮している
出典:企業ウェブサイト
・Unileverは、メタバースをコマースの機会としてではなく、消費者と学び、つながるための機会として活用していることを紹介しました。
・Ahold Delhaizeのある幹部は、現時点では食料品分野にはメタバースを活かす機会を見いだせていないことを説明しました。しかし一方で、AR(拡張現実)などの関連技術は、消費者に店内のパーソナライズサービスを提供できることを強調しました。