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2023.05.30 12:30

母になって後悔? 育児調査が数値化、彼女たちの閉塞感

「人と比べる」ことから生じるモヤモヤ、「うちの子にとっての正解探し」も困難に?

この7年間の大きな変化は、働く女性の割合が増えたことと、IT環境、そしてSNSの進化です。仕事と子育てで時間に余裕がない母親にとっては、ガラケーからスマートフォンになり、情報が格段に取りやすくなった利点もありますが、インスタグラムなどで華やかに輝いている女性たちの情報を瞬時に受け取ったり、voicyやウェビナーなどで遠いところで活躍している女性を身近に感じる機会も多くなりました。子育ての情報もインターネットで検索できて便利になりました。

科学データに基づく育児本も次々と登場し、自分とわが子が「できていること・できていないこと」をこまめに確認したくなる。将来の進路や職業選択が多様化し、わが子の成長や未来を思って不安になるのは当然だと思います。

子育て中のモヤモヤの多くは「人と比べる」ことから生じます。比べる対象が拡大することで自己肯定感が下がったり、触れる情報量が増えることで「うちの子にとっての正解探し」が困難になったりして、子どもと接する時間そのものを楽しめなくなっているのかもしれません。

【図2-1】によると、しつけや教育の情報源として「母親の友人・知人」「祖父母」からのサポートが減少しています。でも、困ったときに参考になるのは意外にも、ネットで見た最先端のメソッドよりも、身近な人生の先輩の子育てのノウハウだったりするかもしれません。【図2-3】によると、母親が家を空ける時に子どもの面倒を見るのは「父親」が中心で、父親以外のサポートが減っています。自分が歯医者に行く間だけ子どもを見ておいてほしい、というような時、父親が有休を取ってくれるか、といえば、必ずしもそううまくはいきません。10分だけ子どもをみていてほしい、というときもあります。ご近所づきあいを含め、持ちつ持たれつの気楽な信頼関係を築くのが難しくなってきているのも感じますし、そのことが母親の不安につながっているのかもしれません。
(データ:ベネッセ教育総合研究所)

(データ:ベネッセ教育総合研究所)



(データ:ベネッセ教育総合研究所)

(データ:ベネッセ教育総合研究所)

お子さんの育ち方が十人十色であるように、女性の生き方は「キャリアか」「家庭か」の二択でもなく、両方でもなく、もっと自分らしい選択があるはずです。「多様性」を裏返せばすなわち、答えがない。「自分の生き方」の正解は、世間で華やいでいるたくさんのアイコンが発信している生き方なのでしょうか?もしかしたら、比べる必要のない人たちと自分やわが子を比べてしまっているのかもしれません。核家族中心に子育てせざるを得ないのであれば、「ママとパパと子どもがワンチーム」という意識で、夫婦で情報を共有したりコミュニケーションを密にしたりして、オリジナルの子育てをもっと楽しめたらいいですね。
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文=鹿田昌美 編集=石井節子

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