ライフスタイル

2023.05.30 12:30

母になって後悔? 育児調査が数値化、彼女たちの閉塞感

「母になる」は、実のところフラットな友人をつくるチャンス?

母親になると「〇〇ちゃんのママ」と呼ばれて自分自身ではなくなるように感じる人もいますが、むしろ、年齢や肩書を超えたフラットな友人をつくるチャンスでもあります。

少し私の話をすると、翻訳者としてフルタイムで、そして自宅で働く兼業ママの私は、近隣に住む専業ママたちとのつながりに助けられました。地方出身の核家族で、親もきょうだい親戚もいない土地での友人ゼロからの子育てでしたので、妊娠してからは自治体が開催するマタニティクラスに参加してゼロから友人を作り、出産後は児童館に足を運んで、さらに知り合いを増やしました。

仕事をしていない・休んでいるお母さんたちは、それぞれに個性や特技があり、私は尊敬することばかりでした。子どもを遊ばせながら、お菓子作りを教えてもらったり、楽器を習ったり、他愛もない話をしてお腹を抱えて笑ったりと、楽しい経験をたくさんしました。子どもが保育園の0歳児クラスに入ってからも、専業ママとの親子ぐるみの付き合いは続きました。兼業ママこそ、専業ママの友人を作るといいですね。平日にちょっと子どもを預かってもらえたり、そのおかえしを週末にしたり。ゆるやかな「持ちつ持たれつ」です。

子育てはどうにもならないことの連続ですし、母親になると、周りからの見られ方も大きく変化しますが、主体的に生きるという意識を持ちながら、子どもとの時間も楽しむことで、「子育てによって自分も成長していると感じること」【図1-1】が増え、子育てへの肯定的な感情が増えて行けばよいなと思います。


(c)Taro Yoshida

(C)Taro Yoshida


鹿田昌美(しかた・まさみ)◎翻訳家、作家。これまでに手がけた翻訳書は70冊以上。最近の訳書には『フランスの子どもは夜泣きをしない―パリ発「子育て」の秘密―』(パメラ・ドラッカーマン著、集英社刊)、『世界を知る101の言葉』(Dr.マンディーブ・ライ著、飛鳥新社刊)、『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる最高の子育てベスト55』(トレーシー・カチロー著、ダイヤモンド社刊)、『なぜ男女の賃金に格差があるのか 女性の生き方の経済学』(クラウディア・ゴールディン著、慶應義塾大学出版会刊)などがあるほか、著書に『「自宅だけ」でここまでできる!「子ども英語」超自習法』(飛鳥新社刊)があり、児童英語教育についての講演、取材対応も積極的に行う。

文=鹿田昌美 編集=石井節子

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