厚生労働省は5月12日、アフターピルの市販化についてパブリックコメントを実施したところ、4万6000件超の意見が寄せられ、うち賛成意見が9割を占めたことを報告した。そんなアフターピルだが、その認知や理解には課題があることが、医薬品の輸出入を手がけるつばめLaboの調べで分かった。
20〜60代の女性300名を対象にした調査で、アフターピルの存在を知っているかを尋ねたところ、「知っている」が8割強(84%)に上る結果に。一方で、「知らない」と答えた人も2割近く(16%)存在した。
続けてアフターピルは性交渉後、何時間以内に飲むべきか知っているか、という質問には、「約1日以内」の回答が36%で最多となり、国内認可のアフターピルで実際に効果が見込める「約3日以内(72時間)」と答えた人は、約2割(21.7%)にとどまった。
さらに、妊娠を望まない状況で避妊に失敗、または失敗した可能性がある際、具体的にどういう行動を取ると思うかについては、最多が「アフターピルを服用する、または服用を検討する」で31.2%。次いで「とりあえず産婦人科に行く」(29.2%)、「安全日だったかどうか確認する」(27.9%)となり、「特に何もしない」という人も11%に。
アフターピルの服用経験については、「なし」が8割超(84.3%)を占める一方で、「ある」と答えた人が16.3%いた。
アフターピルには、上述の通りタイムリミットがある。医療機関を受診する際には自費診察となり、診察代を含め1万〜2万円程度の高額な医療費がかかる。しかし世界ではアメリカなど90カ国以上で、アフターピルが医師の処方箋なしで薬局で数百円から数千円程度で購入できる。
日本では市販化について、DVや転売などに悪用されるという懸念の声もあるが、望まない妊娠は、中絶や虐待にもつながる。それらを防ぎ、女性の健康と権利を守るために、前向きな議論が求められている。
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