政治

2023.05.16

トランプ、中絶法への明確なスタンス表明を避け続ける

テキサス州ウェーコで講演するドナルド・トランプ前米国大統領。2023年3月25日(Getty Images)

共和党大統領候補で前サウスカロライナ州知事のニッキー・ヘイリーも、国による中絶禁止の不支持を表明しており、5月14日、妊娠の一定期間後の中絶を禁止する法案を通すことは政治的に非現実的だとCBSに話した。「国の規制を定めるためには、議会の過半数と上院議員の60票および大統領の賛成が必要です。過去100年に、中絶に反対する上院議員が60人いたことはありません」とヘイリーは述べた。ただし同氏は、中絶に関する国の役割を見据えており、大統領に選ばれた暁には「できるだけ多くの命を救い、できるだけ多くの母親を助ける」ことを目指すと語った。

69%。これは2月のGallup調査による国の中絶法に満足していない米国人の割合で過去最高だった。半数近い46%の人々が、法律をもっと緩やかにしてほしいと答えたのに対し、より厳格な法律を求めたのはわずか15%だった。

デサンティスは大統領選出馬をまだ表明していないが、数週間以内に発表すると広く予想されている。同氏は4月に、フロリダ州の6週間中絶禁止法案に署名したが、発効されるのは、現在法手続きが進められている15週間以降中絶禁止法に対する異議申し立てを最高裁判所が却下した場合に限られる。

共和党はこれまで、中絶禁止に関して合意を得ることにことごとく失敗しており、トランプを含む党の幹部らは、2022年中間選挙の敗北理由をメッセージング問題のためとしている。共和党全国委員会のロンナ・マクダニエル会長は先月「 自分の立場をはっきりさせるべき」と発言し、この問題は「2024年以前に伝えるべき極めて重要なメッセージ」であると指摘した。

ティム・スコット上院議員(共和党、サウスカロライナ州)も大統領選出馬を考えており、20週の中絶禁止を支持すると最近表明した。2024年共和党大統領候補者のエイサ・ハッチンソン前アーカンソー州知事は、国による中絶禁止を条件付きで支持しているが、同氏は2021年、強制性交や近親相姦を例外としないほぼ全面的な禁止を命じる州法に署名した。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事